Blessings in Disguise

ある学会 (conference) に行ってきた。

午前中の講演とシンポジウムもおもしろそうだったんだけど、仕事があったので、午後から参加。
「残念だけど、京都でランチできるんだからいっか」と楽しみにしていたら、その時間すらないことが発覚。
仕方がないので、駅のキオスクみたいなところで適当にパンを買って電車に乗った。

会場に着き、受付を終えてパンを食べる。
めっちゃおいしい。
昭和23年誕生の、老舗パン屋さんだった。(参照

お目当てその1の、T先生の講演。
そういえば、研究から足を洗って以来、学会に参加するのは今日がはじめてだった。
そういえば、1年前の今頃はアメリカで、国際学会の裏方として、バタバタしたり、ピリピリしたり、グッタリしたりしていたんだった(参照)。
当事者感なしの、ただの客として参加すると、学会はこんなに気楽で楽しいのか。
知らなかった。

裏方目線で運営を見ると、まぁなんというか、日本的。
「そこ?」というところはセカセカしてるけど、大事なところでのんびりした雰囲気が漂っている。
失礼がないように、間違いがないように、一生懸命なあまり、ときにはチーム内に不穏な空気が流れたりしていた、あの頃(遠い目)。
リーダーのMがこれを見たら「日本の学会は恵まれてる」って言うかな。
逆に言うと、この感じで易々とビッグネームが集まってくれるなら、そりゃ変わらないよなぁ。

講演のあと、質問をしようと思ったら、時間切れでできなかった。
質疑応答の設定時間が短いよ。
“質問は、授業後に廊下で先生を捕まえてするもの”カルチャーのせいかしら。(参照
そっか、だから質問や応答が上手な人が少ないのか。
みんながいる場で質問する経験をしたり、他の人の質問の仕方、質問への答え方から学んだりするチャンスが少ないんじゃ、上手になりようがないよね。

促されるまま、T先生につながる列に加わる。
前回お会いしたのは、あの“モーゼ”が起きた伝説の学会(参照)だが、それももう3年以上前のことなので、覚えていらっしゃらないだろう。
おずおずと名乗ると、覚えてくださっていたどころか、「博論は終わったんですか?」と聞かれてしまった。
“時間外”でなければ、こうはならなかったかも。
もちろん、質問にも丁寧に答えていただいた。

ブレイクアウトセッションでは、受講生に関係しそうな発表という視点で、なんとなく理系のプレゼンテーションについての発表を聞きに行く。
研究という感じではなかったけど、おもしろかった。
発表者へのコメントの中でチラッと会話分析に触れたら、あとでオーディエンスにいた女性から声をかけられた。
会話分析の研究者だそうだ。
師匠のP教授の名前を出すと、「会話分析第一世代の、あのP教授ですか!」。
西海岸の学会で会って、えらく感激したことがあったそうで、初対面なのにかなり盛り上がった。

で、そのままその方と、その方の先輩だというさっきの発表者と一緒に廊下でしゃべっていたら、次のセッションの開始時刻を過ぎてしまった。
聞きに行こうかなと思っていた発表のある教室をいちおう覗いてみたが、発表者の横に入口があるタイプの部屋なので途中入りはできなそうだった。
そのフロアをうろついていると出版社のみなさんに次々と捕まえられるシステムなので、1階下のフロアに移動。

ベンチに座り、メールを打っていたら「発表、聞かないんですか?」と声をかけられた。
顔を上げると、T先生。
そこから、しばらく2人でおしゃべり。
さらにG先生が加わり、3人でおしゃべり。
セッションに入れなかったおかげで、いつも本やサイトを通じて学ばせていただいている方々と和やかなひと時を過ごすことができた。

そしてこんなとき、なにか後ろめたいような、場違いのような気持ちにならずに済むのは、やっぱり学位を取り終えたからかなと思う。
「使わないもの」として博士号をメルカリかどっかで売ろうとしてたけど、それはちょっと延期。

シメは、K先生の講演。
ご著書や論文を読んだときと同じような感想をもった。
あ、でも想像よりずっと穏やかで気さくな方だった。
学者あるある。

会場が駅直結だったため、京都の紅葉はおろか、空を見ることも外の空気を吸うこともなく帰路へ。
慌ただしかったけど、いいことがいっぱいあった。

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