板書を消すやつの名前について。
ど定番は「黒板消し」。
地域によっては「黒板拭き」(参照)「ラーフル」(参照)とも呼ばれているらしい。
「黒板+チョーク」から「ホワイトボード+マーカー」への移行にともない、あの消すやつをどう呼ぶか、日本語ではまだ揺れがある様子。
機能に着目して「黒板消し」をそのまま踏襲している人もいるし、板の色に対して忠実さを示すべく「白板消し」と呼ぶ人もいる。
舶来の要素を押し出して「ホワイトボード消し」と呼ぶ人もあれば、色の議論から逃れようと「ボード消し」を選ぶ人もいる。
中立、平和を目指して「ホワイトボード用イレーザー」と名付けるメーカーさえある。
かと思えば、「クリーナー」で一発逆転を狙うツワモノも。
お疲れお疲れ。
誰かがバチッと決めてくれたらいいのにね。
ちなみに英語では普通「eraser」(アメリカ英語では濁らず「イレイサー」)と呼ぶ。
「紙+えんぴつ」の“消すやつ”と区別したい場合には「whiteboard eraser」「chalkboard eraser」。
…と書いてて気づいたけど、英語の「whiteboard」と「chalkboard」のスペルや発音上の面倒くささに差がないのに対し、日本語の「黒板」と「ホワイトボード」の差はとても大きいんだね。
そうか、そこの収まりが悪いのも、呼び名が落ち着かない一因かも。
事の発端は、「消しゴム」だろうな。
あそこで「ゴム」方面に行ってしまったことが、後々こうして厄介な問題を生んだ。
なんでそんなに素材を言いたくなっちゃったかなぁ。
しかも、実際にはゴムじゃなくなってからもう約60年にもなるというじゃないの。(参照)
「字消し」は真面目でいいんだけど、モテない。
英語にも「dry erase board eraser」という「いや、ま、わかるけど」な呼び方もある。
それでもやっぱり「eraser」が肝心なところをちゃんと押さえているんだよな。
今後、板や書く道具が変わろうと、スプレーで吹きつけるなど方式が変わろうと、自動化などテクノロジーが絡んでこようと、「erase + -r」=「消す+やつ」にすべてを一任できるのは強い。
9月 10日付で、”「消すやつ」 でいいよね” という記事を書かせていただきました。興味深い示唆に感謝です。
http://tak-shonai.cocolog-nifty.com/crack/2018/09/post-b3b2-1.html
あらら、恐れ入ります。そう、これを書いたとき「rubber」を考えに入れそこねていたんです。イギリスの「rubber」を日本で「ゴム」と訳したわけで、不思議でもなんでもないことでした。というわけで、「消しゴム」の方は解決です。
一方、「板書を消す問題」は英語でも厄介だったと思い至りました。それについては、いずれまた。