今月に入って早くも2個めとなるStormが近づいてきている。
金曜日にドカンと降った雪は、気温が高いせいでとても重く、大粒でべちゃっとしていた。
木々にくっついてしまうので、枝が折れたり木ごと倒れたりで、州内は事故多発。
電線のある地域には大規模な停電をもたらした。
うちの庭には久しぶりに子どもスキー場ができて、週末は親子連れで賑わった。
その雪がかなり高速で解けて、ところどころ芝生が覗くようになったところへ、またも大雪の予報。
今日は文字どおり一日中、ずーっと休まず、ひたっすら雪が降り続くらしい。
今夜は友人のコンサートが予定されていたのだが、昨日の昼前に中止が発表された。
その頃はぴかぴかの晴天。
お誘いした人たちに中止の連絡をする中、「本当にそんなに積もるんでしょうかね」なんて言われることもあった。
夕方、図書館とスーパーへ出かけた。
キャンパスは特に変わったところはなし。
スーパーは、通常営業ではあるけど明らかに商品棚がガラガラ。
大雪に備えて買いこんだ客が多いのか、翌日の売上が見込めないから仕入れを控えたのか、両方か。
3店まわってようやく必要なものがそろった。
今朝、大学はひとまず普通に始まったが、9:30ごろに12:25以降の休校が決定した。
珍しくちょっと判断が遅かった気がするが、降ってはいてもたいした量じゃなかったからかな。
これを書いている現在は午後3:00を過ぎたところだが、実際、いまはまだ道路も大丈夫そう。
うちのメンテナンスの“除雪隊”も、いちおう吹き飛ばし機を出してはきたけど、まだのんびりしてる。
学生はともかく、大学で働く人たちは朝から通常出勤している。
州は帰宅を推奨する liberal leave を出した。
つまり、オカミが「強制はしないけど、雪がひどくなる前に帰りなよ」「引き続き仕事をする部署は、その旨をなるべく知らせてね」「non-essentialな従業員は、部署の人たちが働いていても、上司に言って帰っていいよ」と、お触れを出しているわけだ。
それに従って、ここの人たちは部署ごと閉めたり、部下を帰したり、自分も帰ったりする。
で、思ったんだけど。
もし日本で同じようにオカミがお触れを出したとして、日本の人たちって、閉めたり帰ったり、する?
いや、さすがに強制ならそれなりに従うと思うよ。
でもこのliberalレベルだと、閉めない帰らないが圧倒的に多いんじゃないかな。
残業隠しと隠れ残業の持ちつ持たれつ、仕事以外の時間の使い方、“働き者な自分”への執着、ルールや命令に対する「ちょっとぐらいいいじゃん」体質、個人の判断能力、空気を読む癖…などなどなど。
帰らない・帰りたくない・帰りにくい要素が次々浮かんでくる。
しかも日本だと国公立に当たる大学で、だよ?
自分自身や自分のやっている仕事を「”non-essential”呼ばわり」されて、すんなり受け入れられない人もいるだろうし。
「万が一の場合は泊まります(にっこり)」みたいな人もいそう。
日米の違いを語るとき、私はかなりの高頻度で「良いとか悪いとかじゃない、単なる違い」と考えるけど、こればっかりは「良いとか悪いとか」だと思っちゃうなぁ。
だってその体質じゃあ政治が機能しないし、安全が守れないし、隠蔽が起きやすいし、無駄にプライド高いし。
嫌いだなぁ。
このくらいの雪の日に、「ひどくなりそうなんで、早めに帰ります」なんて言おうもんなら、とうとうアメリカかぶれと呼ばれるんだろうな。
ま、呼ばれても、しょうがないか。
は。
除雪車の音に、ふと我に返る。
勝手な想像をして、うっかりうんざりしちゃったじゃないか。
実際の日本は、いまごろ梅の咲く春の国。
窓の外はさっきより白が濃くなっている。