ご縁あって、ある保育園で即席英語教室開催。
「オールイングリッシュで」という発注。
「小学生もいます」ということ以外、事前の情報なしのぶっつけ本番。
何歳の子が何人いるのか、どれくらいの時間をもらうのか、教室には何があって何がないのか、何も知らず、何も決めず、手ぶらでうかがうことになった。
フタを開けてみると、11ヶ月から11歳まで、生まれて初めて外国語に触れる子から英語を習っている子まで、10名+保育士4名さま。
玄関で挨拶をしていると、異変を察知したらしい子が泣き叫ぶのが聞こえてきた。
部屋に入ると、「ききききき来たー」という空気。
立場上逃げられない小学生と、保育士さんに抱っこされていて物理的に逃げられない乳幼児以外はすばやく物陰に隠れた。
大きい子から順に名前を聞いていく。
3人め、緊張した面持ちの、でも「勇気を出して言うぞ」的な女の子は、口を開けようとしたら涙が出ちゃって、そのまま号泣。
これには保育士さんたちも「えぇぇ?」と慌てていた。
大丈夫なつもりだったけど、思ったより緊張して、びっくりが溢れちゃったんだね。
そんな感じで、泣いたり笑ったり、予想外にバタついた幕開けではあったが、なんとなくふわっとスタート。
始まってすぐに、私が適当に腰かけたのが子ども用のテーブルだったことに気づいたのだが、私の前に子どもたちが車座になって場所が固定されてしまっていたので、そのまま続行。
好きな食べ物や色や動物を聞いたり、歌を歌ったり。
その間も終始マイペースな子がお構いなしにみんなの前を横切り、超至近距離で私におもちゃや本を見せて「ウルトラマン」とか「これだぁれ」とか、「新幹線で富山のおばあちゃんのおうちに行くの」とかお話ししに来ては去っていく。
あ、いま気づいたけど、あれは私に日本語を教えようとしてたのかも。
後半は、英語初体験らしい子たちも良い発音、大きな声で数字が言えたり、思いがけず外国の国名をよく知っている子がいたりして、保育士さんも子どもたちの意外な一面が見られたみたい。
日本の子ども向け英語教室をやったのは、たぶん10年ぶりぐらいだけど、なんとかなってよかった。
子ども相手といえばいつもは安全管理から出し物まですべてが私ひとりに任されていて、常に四方八方に注意を張り巡らせなくちゃならないけど、今回は他に大人の目がいくつもあって大助かり。
親子ペアとか、アリだな。
30分ぐらいでキリがよさそうだったのでいったん締めたのだが、追加でもうちょっと。
そしてお昼の時間になって終了。
と同時に小学生たちが「疲れたー」と言ってその場でごろーん。
どうしたのかと思ったら、緊張と頭フル回転で、ヘトヘトになったんだってさ。
えぇぇ、そうだったの?
では、と思ってそこから日本語で話し始める。
すると、並んで座っていた1歳ぐらいの男の子と女の子が目をまんまるにして私をガン見した状態で固まっている。
「にににに日本語しゃべった」というショックで動けなくなったらしい。
鼻もヅラもつけてなかったけど、日本人に見えませんでしたかね。
私は小学生たちと一緒にお昼を食べて園には戻らず帰ってきたが、あとで聞いたら、その日は「いつも食後すぐに寝てしまう0歳児と1歳児が興奮してなかなか寝付けなかった」らしい。
そんなに刺激的だったのかしら。