Third Party

日本だとトリビア扱いになっちゃうのかもしれないけど、大統領候補はあと2人いる。

アメリカ史上もっとも残念な大統領選と言われる今回、多くの国民が2大政党の候補者について「どっちも嫌だ」と思っている。
ま、でもそうは言ってもどちらかに投票する人がほとんどなんだけど、中には支持政党を越えて、2人以外の候補に入れようとする有権者もいる。
というわけで、第三党にとって今回は、史上もっとも得票が稼げる大統領選になるかもしれない。
最新の世論調査でも、第三党推薦と思われる「その他の候補」を支持する人が4-9%いる。(参照

1人はリバタリアン党のGary Johnson(参照)。
4人の大統領候補のうち、見た目にはこの人がいちばん代議士っぽいと思う。
前回2012年にも出馬し、得票率は1%未満だったが、今回はその何倍もの票を集めると言われている。
リバタリアン的にどうなの?という発言がちらほらあると指摘されているが(参照1 参照2)、長きにわたりそれなりに支持者がいて、少なくとも局地的には立派な地位を築いていて、さらに全国的には大叩きに遭うほどでもないちょうどいい立ち位置なので、そういう仕上がりになるのはなんとなく想像できる。

もう1人は緑の党のJill Stein(参照)。
2012年に次ぐ二度目の大統領選出馬で、今日現在、アメリカの政治史上、女性大統領候補としてもっとも多くの票を集めた記録を持つ。
私はフェミニストじゃないので彼女の思想信条はよくわからないが、お医者さんとしてはいい先生っぽいなと思う。
家族に何かあったときに担当医になってもらえたら安心できそう。
民主党の候補だったサンダース氏の支持者が彼女のところに流れてきたという背景があるため、「Jill, not Hill(ヒラリーよりジルを)」というスローガンで支持を集めている(参照1 参照2)。

でさ。
別に今回だけじゃないんだけどさ。
第三党の、まぁ言ってしまえばインディーズな候補者本人やその熱心な支持者たちってのは、どういうモチベーションで、どういう思いで、今も戦っているのかしら。

いや、自分に信念があって、それを訴えて、運動を起こすというのはいいと思うんだよ。
たとえ1%だとしても、2億人超の有権者がいて、半分ぐらいは投票するわけだから、…えぇと、計算はできないけど、ものすごい数でしょ。
それだけの支持を集めるって、すごいことだと思うよ。

でもさぁ、訴えて支持を集めるってことと、大統領になるってことが違うのは、みんな知ってるよね?
いくら政治経験のない人が大統領になることが可能な国でも、第三党から大統領を生むことは、まぁ、ぶっちゃけあり得ないことは、わかってるよね?

いや、勝てない戦もする価値があるのはわかるんだよ。
参加することに意義もあるんだと思うよ。
思惑はいろいろあって構わないし。
「大統領候補」や「大統領選出馬経験者」は肩書として、後々の活動にも影響するだろうし。
“同じ”立場の候補者として、二大政党出身の候補者の政策や資質に疑問を投げかけるのも大事なことだし。
国民の不満のはけ口も必要だし。
有権者全体の意識を高めることにもなるんだろうし。
だから、選挙に出るのはいいんだよ。

ただ、出るとなるとどうしても「次期大統領に!」って言ったり、「大統領になった暁には」みたいな話もしたりすることになるじゃん?
そのとき、本人や党関係者や支持者ってのは、本気なのかしら。
それとも「カッコワライ」的な感じなのかしら。

もしいつかどこかでお会いすることがあったら、「あの、2016年の10月ごろって、実際のところはどんな感じでした?」って、聞いてみたいなぁ。

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