日本人と席順

日本人の自由席の取り方について。

ある会の中で、「開会行事」というものに参加した。
会はアメリカだったら「Convention」と呼ばれるものに似ていたので、「開会行事」は 「Opening ceremony」に当たるのだろうなと思っていた。
会場の後ろのドアから入り、ご挨拶などしているうちに席が埋まりはじめ、係員が「前の方が空いていますから、前へどうぞ。後ろのみなさんも前へ移動してください」と言いはじめた。
見ると、その“前の方”も両端のブロックは埋まり、真ん中のブロックも最前列以外の3辺が埋まって、後ろから見るとU字型に人がいる状態になっている。
ははぁ。
ブロック的には、後方の端→後方の真ん中→前方の端→前方の真ん中。
そしてブロックの中では最後列または両端→それに近い席→真ん中。
これがこの場における“良い”席順なんだな。

私は基本的に座り位置にこだわりがないのだが、この雰囲気からすると、現時点での空席の中でいちばん“良い”のは、たぶんU字の底に当たる部分だろう。
そして両端の人たちとは、ある程度距離を保った方がよいだろう。
で、会場の前半分の、真ん中のブロックの、後ろから2列めの、真ん中の席に座った。

その後も会場に入ってくる人はたくさんいたし、係員はあいかわらず「前へどうぞ」と言っていたし、私のいる前方真ん中のブロックもだんだん埋まってきた。
私は手元のiPadなどを見ていたので、その間の埋まり具合を気にしていなかった。

「開会行事」の時間になり、司会者の第一声があったので顔を上げた。
えぇぇ。
私の前だけがキレイに空いている。
U字でいうなら、両端の縦線が極太になり、真ん中に細く、縦1本の空間ができてるってこと。
つまり私の席はど真ん中の最前列状態。
演壇に立つ人の真正面を陣取った形になってしまった。
ななななんてこと。

そうかぁ。
「前方の真ん中の最後列または両端」の次に“良い”席は、U字の底じゃなかったんだ。
間違えた。
正解は、両端に少しでも近い席、でした。
精一杯空気を読んで、“良い”席をとったつもりで、失敗するという、超ダサい展開。

そして「開会行事」が始まった。
(つづく)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。