どこの業界も同じなのね、って話。
「頭ぐるぐるしてるので、話を聞いてほしい」という友人の依頼。
聞いてみれば、本人の中ではきちんと計画ができていて、スジが通っていて、調べもついていて、ブレがなかった。
むしろしっかりした若いヤツに感化されて、こちらが襟を正すことに。
というわけで何の心配もなさそうだけど、ま、それでもぐるぐるはするよね。
それはともかく。
彼女の専門についてまったくの門外漢である私が「わかるー」連発だったのがおもしろかった。
たとえば
・日本のシステムや専門家に求められる基準は、アメリカなど他の先進国ではありえないほどいいかげん。
・そのいいかげんさを改善しようという動きがほとんどない。
・マスコミなどを利用して目立ち、“ブランド”が確立すると、実力とは無関係に仕事が与えられるようになる。
・技術のない人や偏った情報に基づく処置により、事故多発。
・そうやって一部の不届き者が招いた事故により、業界全体の信用が落ちる。
・しかし、落ちた信用はしばらくするとなんとなく回復する。
・既得権益や“伝統”、年功序列に対し若い世代が戦わない。
・先端技術や世界の標準的な動向を取り入れようとすると煙たがられる。
・日本独自の、国内だけで通用する“資格”を作り、特定の団体に力と資金が集まる仕組みができている。
・“消費者”は、なんとなく名が通っていれば、サービスの質を吟味することなくお金を払ってしまう。
どこも大変ね。
私が知るだけでも、医療、芸術、製造など、どうやらさまざまな業界で、同じことが起きているようだ。
そして、たとえば教育の中でも、保育や教科学習や高等教育などの下位カテゴリで、これまた同じようなことが起きている。
そして業界内の気づいちゃった人で、見て見ぬフリができない人は、いろんな面倒くさいことを覚悟しつつ、やらざるを得なくなる。
「長いものに巻かれておけば、ラクなんだけどね」と言いながら、しょうがないので重い腰を上げる。
その展開もよく似ている。
専門がバラバラなのに、見えているものややるべきこと、決意や行動が驚くほど似ている人たち。
表面に出ている業界や業務に直接的な関係がないために、一般的には無縁のように思われているけど、こういう話を聞くたびに、実はこの人たちはみんな根っこでつながっていて、地下水を共有している、みたいなことを思う。
そしていつか、地下水を共有して育った人たちが、それぞれにしっかり根を張った上で「いっせーのせ」で何かをやると、それこそ天地がひっくり返るようなことが起きるのかもね。
がんばれ、ニッポン。