棒人間-2

在ニューヨーク日本国総領事館のメールマガジン(参照)より。

「スリなどの犯罪に気をつけましょう」という文脈で、「手口として、犯人は私たちを驚かせて慌てさせたり、他へ注意を向けさせてスキを作らせようとする」という説明があって。

結論。
「スキを作らないようにするには驚かず,反射的に反応しないことが肝心です。
常に,何かあっても動じず,少なくとも多少の間をとってから行動に移すということがスキを作らないようにするコツです。」
以上。

ものすごいことをいとも簡単に言うねぇ。
いや、そりゃそうなんだけどさ。
おっしゃるとおりですよ。
でも、これを読んで、「よし、これから常に何があっても動じないぞ」ってなると思ってるのかなぁ。
彼らもまた、私たち在外日本人を棒人間に見立てている気がする。

ここ数日、言葉に考えや気持ちが載っていない人のことを考えていたからタイムリーだった。
一見、感じよく話していて、その場その場では悪くないし、何が問題なのかはっきりとはわからないんだけど、うっすら苛立ったり、なんとなく虚しかったり、モヤモヤしたり、後々辻褄が合わなくなったりして、なんだかなぁと思わせるタイプ。
そうか、彼らはお役所的なんだ。

彼らは何のために言葉を使うんだろう。
私が彼らの言葉の使い方に不快感を覚えるのはなぜだろう。
私には言葉に対する畏れや愛情があるからかな。
考えも気持ちも意味もなく、ただ言う、ただ書く。
そんなことに、大事な言葉を使ってほしくないのかもしれない。

一見、感じよさそうで、丁寧そうで、実はからっぽの言葉。
嫌い。

ちなみにこのメルマガには誤字脱字や微妙な表記や表現がほぼ毎回含まれている。
書いている人の日本語力からしても、校正しないで世に出す体制からしても、読む人のことなんて考えてないんだろうなと思う。

「私たちは自分の身は自分で守りましょうと皆様に訴えています。」

確かに。
それは見事に伝わってくるよ。

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