ボキャブラリー

完全に忘れたわけじゃないけど、油断すると意味がぼやけてしまう日本語。

先日、友人が「Wii でチャンバラをやりすぎて肩を痛めたことがある」という話をしていた。
友人のジェスチャーから、リモコンを振ってするゲームの話だな、ということはわかった。
その場にいたのは全員日本人。
ゲームの話が展開する中、全員が問題なく理解できていて、みんなついていけてる雰囲気だった。

引っかかっているのは私だけのようだった。
打つ系のスポーツを想像していたんだけど、それにしては動きが縦横無尽。
別にスルーしてもよかったんだけど、別に聞いてもいい場だったんで、聞いてみた。
「ごめん、『チャンバラ』って何だったっけ?」

別の日、別の人と話していて、「来年は年女だ」というので、私は「へー、何歳が年女とか、ちゃんと知ってるんだね」とか、「前後も含めて3年なんでしょ?」とか言っていた。
相手の反応がどうもおかしいので考え直したら、それは『厄年』だった。

記憶の問題か、言語の問題か、両方か。
このあたりの、めったに使わない、忘れてても困らない、頻度も必要性も低い日本語が急に出てきたとき「あれ、それ何だっけ?」となることがある。

知ってはいるんだよ。
だいたいあのへんに属する語だな、という見当もつくんだよ。
でもバチッと意味が定まらない。
今回のようにはっきり尋ねたり発覚したりする以外に、ぼやけたまましばらく泳がせて、文脈から情報をかき集めて、途中で思い出して事なきを得るというパターンもある。
これじゃ第二言語と変わらない。
とほほ。

登場頻度が低い語とはいえ、日本にいて毎日日本語を遣っていたらこうはなっていないような気がする。
日本語筋が落ちてるというか、サビてるというか。
となると問題は今の言語環境かぁ。
このブログとか、翻訳とか、日本にいる日本人とのやりとりとか、日々いちおう意識して日本語のトレーニングはしてるつもりだけど、しっかり衰えているのである。
母国を離れたネイティブスピーカーには気をつけなくちゃね。

とはいえ、頻度が低くてもぼやけない語や表現もあるしなぁ。
第二言語の研究は習得にフォーカスしたものが圧倒的多数だし、母語の能力低下については子どもを対象にしたものばかりだけど、第一言語の上に第二言語を載っけたタイプの成人の母語の、意味がぼやける現象について、どんなタイプの語がどの程度ぼやけるのか、誰か研究してないかしら。
忘れられやすい語の特徴って、あると思う。

海外在住者に呼びかけて『知ってはいるんだけど、一瞬わからなくなる日本語集』とか作ったらおもしろいかもね。

個人的に困るのは、私が言葉について「それ何だっけ?」「どういう意味?」と尋ねると、相手が身構えること。
こちらは純粋に意味を教えてもらいたいだけなんだけど、どうも深読みされてしまいがち。
で、不要な遠回りを経てようやく「あー、刀のヤツかぁ」と答えにたどり着いてスッキリしていると、「えぇっ、本当にわかんなかったんですか」と言われる。
あのねぇ。

私の語彙は、英語でも日本語でもかなり貧弱。
そのうえ記憶力が弱いので、覚えている語数は同レベルの学習者の“平均”を下回る。
“平均”の取りようがないので推定でしかないけど、これはプロによる評価ですからね。
信用してください。

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