「やり手」って、どう?
ある会話から、それならうちのサービスでお役に立つかも、と思ったので「よかったらこんなのありますよ」と紹介したら「やり手ですね」と言われた。
やり手。
うーん。
なんだかモヤモヤする。
なんでかな。
意味を取り違えているといけないので辞書を引いてみる。
やり-て【遣り手】
①物事を(引き受けて)する人。
②物を与える人。
③腕まえのある人。敏腕家。
④牛を使う人。牛車を動かす人。
⑤妓楼で遊女を取り締まり、万事を切り回す女。
⑥舟をつなぐ綱。
⑦「やりてむすび」の略。
(広辞苑 第五版)
ネット上には意外と掲載が少ない。
「物事を上手にこなす能力を持った人」
「優れた能力を持った人」
「物事を処理する能力に秀でた人」
(Weblio 類語辞書:参照)
うーん。
ざっくり、褒め言葉、ってことになるのかな。
悪い意味としてはっきり書かれているのはこれ。
やり手婆(やりてばばあ)
万事を巧みに切り回す女性のこと。
「やり手婆は悪い意を含む罵り言葉であり、切り盛り上手なことを賛辞するものではない」
(日本語俗語辞書:参照)
いや、でもこれは「ばばあ」って言っちゃってるからね。
やっぱり「やり手」自体に悪い意味はないのかな。
悪気のあるような言い方でもなかったし。
じゃ、なんでモヤモヤするのかな。
たぶん、褒められたのが営業的な「巧さ」や「そつのなさ」だったからだな。
紹介したサービスは無料だけどね。
「やり手ですね」という言葉が私の耳には「口が巧いですね」「グイグイ来ますね」と聞こえたのかも。
それでつい、「いえいえ、やり手と教育はなじまないので、そうならないように気をつけています。町医者とか、そんなイメージが目標です。」と返しちゃったんだけど、それは私の発想に飛躍があったかもな。
言われた方は意味がわからなかっただろうな。
悪いことしたな。
でもなぁ。
「やり手」。
好きな言葉じゃないなぁ。