“How to Survive Your PhD”(参照)というMOOC のコースが始まった。
友人の紹介で知り、最初はコース内容を開ける勇気もないくらいだったが、これも何かの縁と思って受講してみることにした。
初日の課題は自己紹介。
これまでの学業に関する経験談とあわせて、特にAdvisor/Supervisor/師匠との関係について200語前後で書くようにとの指示だった。
「こんなネガティブな人、いないだろうなぁ」と思いつつ、ささっと書いて提出して、他の人の投稿を読んでみて、自分はなんて世間知らずだったのかと思った。
コースがコースなだけに、というのはある。
アメリカからの受講生が少ないというのもある。
に、しても。
明るく前向きで夢いっぱい、やる気満々、自信たっぷり…という、初日によく見る人が見当たらないのだ。
新学期のコース初日といえばグイグイでイケイケな雰囲気、その多くはハッタリだとわかっていても、やっぱり圧倒されてしまうのが決まりになっていた。
「これから数ヶ月、この人たちについていくのかぁ…」とため息をつくのが当たり前になっていた。
不安、不満、落胆、失望、迷い、困難、孤独感、などなど。
こんな感じの“初日”もあるんだね。
自分の経験がいかにアメリカ文化内に限定されていたか、思い知らされた。
ていうか私、アメリカの外では普通なのかも。
受講生の年齢層は20-60代と幅広い。
コースの発信地がオーストラリアであるためか、オセアニアからの受講生が多いみたい。
ヨーロッパからもそこそこ。アフリカもちらほら。
アジア人はインドネシア人や中国人がいるが、いずれもヨーロッパの留学生で、アジアからってのは今のところ見当たらない。
日本人っぽい名前も見かけていない。
ま、MOOC ではほとんどのコースの使用言語が英語なので、アジア人の参加が少ないのは珍しくないけど、特にこういう、悩みを他人に打ち明けたり、他人と共有したり、自分の弱みをしっかり見つめて客観的に分析する、みたいなことをアジア人はやりたがらないのかもしれないな。
PhD歴としては、これから始める人あり、とっくに終わって学生を指導する立場の人あり、順調にまんなかあたりまで進んできている人あり、うだうだ長引いている人あり、ようやく出口に差しかかってきている人あり、いったん挫折して戻ってこようとしている人あり、今まさに挫折してやめようとしている人あり。
あぁぁ。
そうか。
そうなのね。
何がどうなるかわからないけど、とりあえず、しばらく参加してみようと思う。