ハンドルロック

やっちまった。
ハンドルロック。

氷まじりの雨がフロントガラスに当たってカチカチ音がする。
ワイパーの通った跡が凍ってスジができる。
シャーベット状の塊やBlack Ice があちこちに。
ブレーキを踏むとわずかに横滑りすることもある。
人々はなるべく出歩かないようにしているらしく、いつもより道も空いている。

そんな日の夕方、その日のうちに発送したいものがあり、郵便局へ。
いつも使っているオフィスがすでに閉まっていたので、中央郵便局的な大型オフィスへ向かった。
視界の悪い中、大きな駐車場をまわり、うろ覚えながらどうにか入口を探し当て、車を止めた。
もう心は先にオフィスへ向かっていたのだろう。
エンジンを切り、キーを抜こうとして…

抜けない。
キーは少し回るので、エンジンをかけ直すことができそうなのだが、できない。
駐車場に車はたくさん止まっているが、人通りはない。

これ、何だったっけ。
対処法を知っているような気がするんだけど、思い出せない。

で、慌てず騒がず、日本のJAFに当たるAAAに電話。
「安全な状態ですか?」「はい」などの質問に答え、イグニッションにささった状態のキーホルダーについている会員証の番号を何とか読み取って伝える。
外灯の近くに止めていてよかった。
本当はとっとと対処法だけを教えてほしいが、こういうときはオペレータの段取りどおり、マニュアルどおりの手続きを踏むのが結局いちばん早い。
急がば回れ。

で、本題へ。
これこれこうなって、キーが抜けないんです。
するとオペレータのおばちゃんが「ハンドルがロックされたの?」
あぁ、そうそう。それそれ。
雪の塊をよけて止めたから、ハンドルが曲がっていたのだ。

左肩に携帯をはさんで、おばちゃんの指示に従い、左手でハンドルを切って押さえつつ、右手でキーを回す。
数回試しても、ダメ。
あきらめて、係の人に助けに来てもらうことに。
駐車場内の詳しい位置、車の色などを伝える。
おばちゃんは「郵便局の中に入れそう?どこか暖かいとこで待ってなさいよ」などと心配してくれた。

じゃ、そういうことでよろしく、と電話を切りかけると、おばちゃんが「あ、ちょっと待って。ニュートラルは?ニュートラルにしたらうまく行くかも」。
で、ギアをニュートラルにして、ハンドルを押さえて…
おぉぉ、大成功。
「ありがとう、助かったよ」と言うとおばちゃんもうれしそうに「よかったわ」と言ってくれた。

それにしても。
天気の悪い寒い日の夕暮れ時に、時間に追われて人気のないところに行くのはよくないね。
後で聞いたら、この日は街のあちこちで事故が多発していたらしい。
反省。
郵便局の窓口は、私が着いた頃にはすでに閉まっていて、結局24時間対応のセルフサービスで発送することになったから、何も急ぐことはなかったのだった。
やれやれ。

メモ
How to Unlock a Locked Steering Wheel
ハンドルがロックされたときはどうするの?

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