OPI

Oral Proficiency Interview についての日本語の情報って少ないのね。

OPI のRubric(採点基準)の日本語訳が見たくてネット検索。
英検、国連英検、TOEIC、TOEFL、通訳検定など、英語の試験の数々に、あんっなに力を入れているのだから、当然、OPI についても情報がじゃかじゃか出てくるだろう、…と思ったら。

日本語教育ではOPI についてよく研究されているみたい。
まず見つかるのは日本語学習者用のOPI 利用情報(参照1 参照2)。
なるほどね。

英語のOPI については、受験を実施している会社のサイトにはさすがに細かく書いてあるが、それでも、レベルの内容はマンガの中で一瞬出るだけ(参照)。
他は、留学ガイド(参照)などにチラッと書いてある程度。
2001年に出版された入門書も、絶版みたい(参照)。
後に同じ会社で日本版OPI と呼ばれるテスト(参照)が開発されたから、本家のOPI を追うのはやめたんだろうな。

どうした、日本の英語教育熱?
グローバルでコミュニカティブな英語に対する、あの燃えるような熱い想いとふんだんな資金力があるなら、OPI に興味がないわけないと思うんだけど?

ま、いっか。
ひとまず、誰かが探すかもしれないので、以下に情報をまとめておく。

OPI とはOral Proficiency Interview(参照)、口頭での言語運用能力をインタビューで測る試験のこと。
American Council on The Teaching of Foreign Languages(ACTFL: 全米外国語教育協会)が行っている。
世界の約80語に対応。
ターゲット言語のネイティブ話者が試験を担当し、受験者は担当者と電話で話す。
日本では韓国で開発されたインターネットベースのOPIc(参照)によって試験が実施されている。

試験の概要と採点基準を載せたマニュアルが公開されている(参照)。
他にも、「OPI Rubric」などで検索すれば情報がじゃかじゃか出てくる。
(これと同じ感じで日本語版も出てくると思ってたんだよね)

レベルは、大きく分けて①超級②上級③中級④初級の4つ。
②~③はそれぞれ上、中、下の3段階に分かれている。
受験者は、試験で話したこと(内容+文法や語彙などの言語能力)をもとに、「上級の中」「初級の上」などと判定される。
(注:日本で実施されているOPIcでは「上級の下」までしか判定できない。)

たとえばど真ん中の「中級の中」はこんな感じ。

「複雑でない会話、わかりやすい内容であればうまく話せる。予想がつく話題や具体的な情報交換など、その言語の文化圏で生活に困らない程度に話すことができる。身近な話題、たとえば家族や日常生活、自分の趣味などを話す。

やりとりは受動的で、相手の質問に答える傾向が強い。しかし、必要となれば、さまざまな質問をして道を尋ねたり値段を聞いたりして情報を集めることができる。上級に求められるような話題に対して、なんとか答えはするが、考えをまとめて伝えることは難しい。時制やアスペクト(進行や完了など)、表現に難アリ。」

ざっくり私の個人的な印象として、日本の大学生ぐらいで英語にちょっと自信があると、このくらいかね。
アメリカにいる技術系の駐在員やその家族も、このくらいかね。

アメリカにいる留学生や研究者はこのレベルでは辛いが、「中級の上」ぐらいなら、いないこともないなと思う。
日本人で専門的な話が落ち着いてできる人となると「上級の中」ぐらいかな。
「上級の上」や「超級」は、通訳など言語の専門家レベルなので、普通に出会う日本人の中にはめったにいない。

実は①超級の上に、もう1つレベルがある。
Distinguished というレベルで、訳すなら「最優秀」とかかしら。
ちなみにどんなレベルかというと、言語的には「正確で巧み、効率よく、効果的に話す」、話題としては「国際問題を広く扱い、抽象性の高い話ができる」、話し方は「その言語の文化圏として適切な話し方ができる」「説得力がある」「自分の支持する意見をはっきり言える」「相手によって話し方を自在に変えられる」、欠点としては「非ネイティブらしい発音や、多少の回りくどさ、わずかな文法的ミスが見られ、文化的背景に深く関わる内容は苦手」。

これに該当するのは、うちの師匠(言語学者)とか、言語コーチ仲間の数人かな。
ありゃ、みんなヨーロッパ人だなぁ。
同僚である博士課程レベルの留学生でも、トルコ人やシンガポール人なら思いつくけど、東アジア人では厳しいな。

でも、日本人学習者はうっかりすると、このDistinguished レベルを目指してたりするんだよね。
だってそのくらいまで簡単に到達できそうな売り文句が街にはあふれているからね。
で、「日本語でならできるのに」って言うのよ。
本当かしら。

今もっとも急がれるのは「英語教育リテラシー」(参照)を上げていくことかもしれない。

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