母に「昨夜はお月見でしたよ。そっちはどう?」と言われ、月を探す。
キッチンのブラインドを上げると、真正面のやや高いところに真ん丸い月が輝いていた。
白い面にグレーの模様がくっきり。
そしてその月が十文字に光を放っている。
空が広く、空気が澄んでいて、電線がなく、人口の光も少ないアメリカの田舎では、このくらいの明るい月が見えるのは珍しくない。
ただ、この光のかたちは初めて見るぞ。
真っ黒の夜空に十字の光。
月が放っているというよりは、2本の棒が垂直に交わるところにできた正方形にぴったり収まるように内接円を描いたら、それが偶然にも月だった、みたいなことになっている。
写真に残そうと思ってカメラを取りに行って戻ったら十字は消えていた。
光はいつもどおり、月暈といわれる輪を作っている。
なんだったんだろう。
目の錯覚かしら。
頭がおかしいのかしら。
わたし、疲れてるのかしら。
悩んでるのかしら。
…と思ったが、検索してみると、さほど珍しい現象ではないらしい。
ふーん?
「秘密は『網戸』」という情報があったので(参照1 参照2)、うちのキッチンに網戸ついてたっけ?と思って確かめに行ったが、上の窓は開かずの窓なので、網戸はついていなかった。
うーむ。
それに、私が見たのは画像に出ているような尖がった光じゃなくて、もっと棒状の、太さが均一のまま長いやつだったんだよね。
×みたいに角度もついていなかったので、本当に地面に十字架を建てたみたいな感じだった。
ううーむ。
やっぱりわたし、疲れてるのかしら。
悩んでるのかしら。