扇風機

扇風機を出した。

ずっと涼しかったのに、急に蒸し暑くなってしまった。
私は蒸し暑さにとても弱いので、気温や湿度を数字で見るまでもなく、自分のぐんにゃり具合によってどのくらい蒸し暑いかがわかる。

去年の夏、一瞬だけアメリカ製の昭和なエアコンを試したが、作動音がうるさいのと、眺めが悪くなるのと、外に出ている部分に鳥が止まるといちいちビックリするのと、隙間から虫が入ってくるのに耐えられず、手放した。

ぐんにゃりして頭が回っていないのに加え、記憶力のなさから1年前にどうしていたか覚えていないので、どうしたらこの暑さをしのげるのか、アイディアが湧かない。
母に「扇風機でも出したら?」と言われ、おぉそうか、と思い立ったのだった。

この扇風機は3年前にいただいたもの。
初回は組み立ててもらったので、自分で組み立てるのはこれが3回目。
今回もやっぱり一発では完成しなかった。

私はDIY は好きなほう。
電動ネジ回しを買ったときは、うれしくてしょうがなかった。
靴箱やテーブル、ベッドなどは自分で組み立てたし、余った板で棚も作った。
だから扇風機の組み立てを難しいとは思わない。

でも、ノーミスでできあがった例がない。
今回も、土台と支柱を接続してから、支柱の内側に支柱の延長部分を通しておくのを忘れたことに気づき、分解して接続しなおし、支柱と扇風機のヘッド部分を接続してから、支柱に延長部分を固定する部品を付け忘れたことに気づいて、分解して接続しなおした。

組み立てに手間取る原因として考えられるのは、2つ。
1つは「過去にできた経験が邪魔をする」という私によくあるパターンのせいだ。
私は普段GPSなしで運転をしているが、初めて行く場所にはちゃんと行けるのに、二度目以降、迷子になってしまうということがよくある。
初めて行くときは下調べもするし運転中も慎重なのだが、二度目以降は「前回、問題なく行けたんだから大丈夫でしょ」と見切り発車してしまうのだ。

この扇風機も、初回で組み立ての様子を見学して、できた気になってしまった。
翌年以降も、最終的にできあがってはいる。
でも「だいたいこんな感じ」と見切り発車するので、途中で迷子になって、やり直して、余計な時間がかかる。

もう1つの原因は、説明図との相性が悪いこと。
アメリカは多言語社会なので、こういう組み立てマニュアルは図が中心。
これが私にはさっぱり読み取れない。

私の脳は3D非対応なので、展開図はもちろんのこと、組み立て系の図がまったく理解できないのだ。
日本の折り紙の本や、ラッピングの手順も、私にはちんぷんかんぷん。
料理のレシピやIT系のマニュアルのように、最初から最後まで言語で説明してくれたら私の頭にはすぅっと入ってくるのだが、おそらく多くの人にとってはそうじゃないんだろう。

で、見ても理解できない組み立て説明は見ないで進む。
で、迷子になる。
迷子になっても、最終的にはできあがる。
だから反省しない。

この扇風機をまた組み立てることがあるかどうかわからないけど、もしあれば、次回も迷子になるのは確実。
説明を文字化するほどの情熱もないので、しょうがない。

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