相手の協力を上手に引き出すのも、大切なスキル

わからなかった!
そんな時、どうしますか?

英語での会話中にわからないことがあった時、「わかったふりをする」「笑ってごまかす」というのをよく聞きます。
この特徴は日本人の英会話のデータにもはっきり現れています。
もちろんそれが有効な場面もありますが、安易な聞き流しは後々問題につながることもありますし、相手との信頼関係にも影響します。
理解していると思って会話を進めていたのに、後になって全然わかっていなかったことが発覚し、せっかくの会話が気まずい雰囲気に…ということにもなりかねません。

重要なのは、理解できなかった、その直後の反応です。
ためらわず、「わからない」というシグナルを出すことで、その後の展開は大きく変わります。
シグナルにはちょっとした目の動きや表情の変化なども含まれます。
いわゆる頭の上にハテナが浮かんだ状態を作るだけで、シグナルとして十分な機能を果たすのです。

相手にもう一度言ってもらうよう頼む場合は、要点をなるべく絞り込み、相手の負担を軽減するよう心がけましょう。
英語での会話に慣れないうちはどうしても「What?」や「Pardon me?」などの表現に頼りがちですが、実はこのような表現で聞き返すと、相手はどこを言い直せばよいか特定できません。
最初から全部を繰り返されては効率が悪い上に、肝心なところはまた聞き取れないかもしれません。

絞り込みには、聞き取れた部分を相手に伝えることが有効です。
これによって、相手は一から言い直す必要がなくなり、こちらもすでにわかっている部分を省いて必要な情報だけピンポイントで補うことができますから、お互いにとって効率が良くなります。
たとえば「I got bronchitis」と言われて、「?」となったとします。
聞き取れた部分を使って、「You got what? 」と返すと、「最後の語だけもう一度言ってほしい」と伝えられます。
相手の言葉をなぞって「Bronchitis?」、あるいは「Bron…?」と一部だけでも拾って渡すと、「聞こえたけど、意味がわからないから説明してほしい」と伝えることができます。

コミュニケーションは共同作業。
相手の協力を上手に引き出すのも、大切なスキルです。

(US Weekly Biz 2014年6月6日号掲載)

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