自分の英会話を聞き直し、トランスクリプト(録音した会話を文字にしたもの)を見返すと、「あぁ、ここがまずかったんだ」と気づくかもしれません。
そんな時は、「もう一度チャンスがあったら?」と考えてみましょう。
現実には同じ相手と同じ場面で同じ会話をすることは二度とありません。
しかし近い将来、あなたが今回と同じような会話をする可能性は非常に高いのです。
たとえば、自分の経験や趣味、仕事内容は新しい人と出会うたびに話題にのぼります。
また、あなたの相づちや間の取り方の癖、確認の仕方などの特徴は、相手や場面に関わらず、会話する上で繰り返し現れるものです。
今回の会話をもう一度やり直すと仮定し、その場面に戻って“テイク2”を撮るつもりで、「今度はどう言おう?」と考えましょう。
英語に関することであれば、必要に応じて単語や発音、文法などの確認をします。
コミュニケーションについてであれば、ひと呼吸置く、相づちを増やす・減らす、クッションになる一言を挿入する、などがあります。
たとえば、部下と英語で話す立場にある方の場合は、賛同する 、褒める、 確認する、など、頻出表現をリストにまとめ、口をついて出てくるまで練習しておくとよいでしょう。
コーチングでは、英語とコミュニケーションの両面から、学習者本人に“台本”を修正していただく機会を設けます。
修正したセリフを使ってコーチとロールプレイ(役割演技)を行い、同じ内容の会話をよりスムーズに、自信を持って運べるようにします。
このような準備は、心の余裕につながります。
だからこそ、実際の会話の中で“テイク2”のチャンスに遭遇したとき、「来た!」とばかりにとっさに反応することができるのです。
過去にできなかったことができるようになったという経験は記憶に残りやすく、その後もしっかりと定着するため、高い学習効果が期待できます。
受講生の方から「言えました!」とご報告いただくと、こちらもうれしくなります。
(US Weekly Biz 2014年5月1日号掲載)