『トランスクリプト(transcript)』という言葉をご存知でしょうか。
録音した会話を文字にしたもののことです。
自分の会話のトランスクリプトを作ることは、英語学習のためにとても有効です。
文字起こしをやってみると、会話中は何となくわかっていたつもりだったのに、実はよくわかっていなかった、というようなことが起こります。
文字にしたことで同音異義語による勘違いに気づき、それをきっかけに話の内容が一挙にわかった、なんてこともあるのです。
文字起こしでは、自分の発言も「こう言ったつもり」ではなく、実際に聞こえるままに文字にします。
何度聞いても聞き取れないところは、英語が得意な人など、ほかの人の耳を借りましょう。
コーチングでは聞き取れない部分の単語数をカッコでお知らせしたり、最初の一文字を教えるなどヒントを与え、穴埋め形式で聞き取り能力が一段階アップするよう指導しています。
“言われてみれば納得”、いったん聞こえるようになると「なぜ今まで聞こえなかったのだろう」と不思議になるほどです。
文字起こし中に聞き取れない理由は、おそらく以下のどれかです。
①雑音など、録音状態の問題
②不明瞭な発音、早口など、相手の問題
③発音の仕方に勘違いがある
④意味のわからない単語が使われている
⑤文法が理解できていない
⑥前後の文脈を見失っている
①と②の場合、あなたの英語力とは関係がありません。
③~⑥は、英語学習のうち、それぞれ別の分野のスキルの問題です。
このように、「なぜ聞き取れなかったか」を明確にしてから「ではどうするか」と対策を考えると、学習を効率よく進めることができます。
(US Weekly Biz 2014年4月3日号掲載)