『わかりあえないことから』

『わかりあえないことから:コミュニケーション能力とは何か』を読んだ。

読むのが遅い私だが、この本はサラサラと読めた。
理由は、私にとって馴染みのある概念ぞろいだったから。

そもそもの、「伝わらない」という前提(参照1 参照2 参照3)。
コンテクストの違いとその理解 (pp.184-5)(参照1 参照2 参照3)。
話しかける側と話しかけられる側のこと (pp.188-9)(参照)。
Empathy のこと (pp.196-8)(参照1 参照2)。

教育においては、“センセイ”が教えすぎないこと (p.47)(参照)。
生徒に考えさせ、生徒の変化に応じて、授業を柔軟にデザインすること (p.55)(参照1 参照2)。

コーチングですでに実施しているのは、話し言葉を「せき止めて意識化させる」「文字化させる」(p.55)。
複雑に印象を絡めて、長期的で安定した記憶を目指す (pp.65-70)。
セッション内に「偶然性」を埋め込み、学習者が伸びようとする方向へ伸ばす (pp.73-4)。
“正解”を提示せず (p.91)、学習者に思いつくままに表現させ、その中からいちばん好きなものを選ばせ、自分の表現として試させる (p.92)。

特に大きな驚きもなくサラサラと読めたということは、「コミュニケーション能力とは何か」に対する自分の考えが、おそらくイイ線いってるんだな、と思った。
どんなに少なく見積もっても、著者の考えに近い。
そのことに私はホッとした。

これでまだしばらくは「英語」や「コミュニケーション」や「教育」のプロを演じていくことができそうだ。

平田オリザ. (2012). わかりあえないことから:コミュニケーション能力とは何か. 講談社.

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