未来の私へ

年齢を重ね、今の私より多くの経験を積んだ未来の私にお願いしておきたい。

「若造が偉そうなことを言うな」
「経験もないくせに」
「あなたになんか、わからない」

そういう言葉で自己を防衛し、かつ攻撃しようとする人を知っている。
その人たちにははっきりとした共通点がある。
たとえば寂しさや劣等感、孤独を抱えているとか、愛情飢餓状態にあるとか、高くなりすぎた自分の自尊心を持て余しているとか。
小さな嘘をつきやすく、無用な心配や不安、疑念に陥りやすく、そのために自分の感情が制御不能になりやすい。
そういうことを繰り返し、悪循環から逃れられないのだ。

いくつかの体験を経て、現在の私は、「あ、この手の人は危ないな」ということを素早く察知できるようにはなった。
でもまだ、その人たちとうまくやっていく術を持たない。
だからできるだけ関わらないようにしたいのだが、どういうわけか、カミサマは時々私の目の前にそういう人を派遣してくださる。

その人たちが「追い込まれた」と感じることがないように、なるべく未然防止に努めるが、まだ不完全。
爆発させてしまったら、それは私が「追い込んだ」のだろうし、たとえ私の側にそのつもりがなくても、それは私の落ち度なのだろうと思う。
そうなってしまったら、それはやっぱり私の力不足、私の失敗なのだ。
私を黙らせるためだけの空虚な暴言を受け止め、一瞬でもいいから優位に立ちたいという相手の望みをかなえてあげるぐらいしか、今の私には手立てがない。

後処理の仕方も、今の私にはわからない。
熱が冷めたら、なるべく早くその人から離れるのがお互いのためだと思っているが、それが正しいかどうかもわからない。

せっかくその素質のある人を嗅ぎ分けられるようになったのだから、たぶん、もっと手前から何らかの対策を講じて、「追い込まれた」と思わせずに済むように気をつけていかなければならないのだと思う。
これが今後の私の課題。

爆発の原因のほとんどは私には関係のないことで、本人が長年蓄積している苦い思い出やさまざまな不満など。
爆発は、嫌いな自分の過去への復讐を狙って、一挙にストレスを発散しようとする行為だ。
それを、たまたま通りかかった私が被った。
それは不慮の事故のようなものだから、それ自体については反省のしようがない。
でも、もし私が引くべきでない引き金を引いてしまったのなら、そこは私の反省すべきところだろう。

年齢を重ね、今の私より多くの経験を積んだ未来の私へ。
今の私の未熟な対応を評価してください。
どこまでは改善の余地があって、どこからはどうしようもないのか。
どこまでは私の責任で、どこからはお手上げなのか。
どこまでは避けられて、どこからは避けようがないのか。
教えてください。

そして、どんなに年齢や経験を重ねても、それを振りかざして相手を黙らせるようなことは、たとえどんなことがあろうとも、しないでください。
それは何しろみっともないし、相手にあなたの哀しみが伝わりすぎて、相手を哀しくさせます。

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