そして第2部スタート。
第1部はコーチングの基礎の基礎。
第2部はテーマが言語コーチングに絞られ、内容もうんと濃くなる。
タジタジ。
今回は講師がイギリス人(ドイツ在住)、受講生はハンガリー人、ポーランド人、スペイン人、コスタリカ人、アメリカ人(ドイツ在住)、と、私。
各地で自分の母語または英語を教えている人たち。
いやぁ、それにしても言語を教えている人たちは英語が上手だね。
文学など言語芸術系の人たちと話すと、その表現や技から力強さを感じるんだけど、言語教育系の人たちと話したときに感じるのは力じゃないんだな。
うーん、なんだろう、キメの細かさ、かな。
そしてほとんど全員、3つ以上の言語ができる。
母語と英語しかできない私は肩身が狭い。
初日の今日は自己紹介に始まり、プログラムの概要などオリエンテーション的なことをやって、さっそくいくつかの根っこになるテーマについてディスカッション。
たとえば「コーチ」について。
世界中で「コーチ」という名称は広く使われているが、その人がどこを通ってコーチングに至ったかによって、ある人はセラピー寄り、ある人はコンサルタント寄り、のように哲学が異なるからサービス内容も異なる、という状態になっている。
そこで、私たちはこれから「言語コーチ」という新たな分野を確立すべく、「言語コーチ」をはっきりと定義し、条件を定め、言語コーチ間で共通の認識を持ち、その確認や更新ができるよう、環境やネットワークを作っていくことが必要だろう、ということ。
たとえば、「Teaching」について。
Coaching はTeaching の敵ではない、という意識をしっかりと持つことがとても大切。
近い場所で新しいものが生まれてくると、すぐに敵対関係と見なしたがる人が多いが、私たちは全員Teaching の経験を持ち、その価値を認めている。
Teaching を非難したり排除しようとしたりする意図はまったくない。
実際、言語コーチングにはTeaching の要素が含まれる。
言語コーチはTeacher の立場を脅かす新勢力ではなく、New breed (新種)のTeacher と考える。
ディスカッションに参加している全員が、住んでいる地域も、ここに至った経緯もバラッバラなのに、プログラム開始早々、こんなにもあっさりと見解を一致させていることに驚いた。
「言語コーチって何?」「普通の教室と何が違うの?」と聞かれ、説明してもイマイチ伝わっていかない経験をし、フラストレーションを抱えながらも「言語をコーチする」ということの持つ可能性を直感的に感じとり、その可能性に賭けようとしている人が、自分以外にもいたことがわかって、とてもうれしい。
それぞれ、こんなに話が通じる人は身近にいないからね。
“We are making history.”
すべてはこれから。
そしてそれはまもなく本格的なスタートを切る。
これは、それを見据えた、いわば直前準備講習なのだ。
いろんな偶然が重なって、今このタイミングで、この人たちと出会い、共に学び、言語コーチングが言語教育の中で果たす役割の胎動を一緒に感じることができる幸運を、本当にありがたく思う。