Mrs. Amazon

Amazon.com社CEO夫人の投稿した書評が話題になっている(参照)。

話題のもとになっている本は、先月15日に発売された”The Everything Store: Jeff Bezos and the Age of Amazon”。
なんでも売ってるアマゾンの創業者Jeff Bezos 氏、その人物像に迫る一冊、らしい。

もちろんこの本はアマゾンでも売っている(参照)。
ビジネスやマーケティングなど各部門で軒並み1位をとる売れ行き。

で、この本を読んだBezos 夫人が書評を書いた。
タイトルは”I wanted to like this book”(参照)。
詳細に、力のこもった文章で、「いいかげんなことばっかり書いてある」と訴えている。
星は1つ。
CEOのヨメでも、星ゼロにはできないシステムなのね。

この書評にはコメントがたくさんついている。
著者をかばう人あり、夫人に同情する人あり、「読もうと思ってたけどやめた」と言う人もあり。
かえって読んでみたくなる人もいるだろう。

まぁ存命中の人の半生を描くというのに、本人や夫人へのインタビューなしってのはまずかっただろうね。
著者は「誤りについては喜んで訂正する」と言っているが、この書評について著者と夫人が話す機会は、今のところ持てていないらしい。

揉め事には興味がないんだけどさ。
この夫人の対応はなかなかカッコいいじゃん。

夫について書かれた本をさっそく手に入れ、細かいメモを取りながら読み、そこからできるだけ感情を抑えて文章を組み立て、突っ込みどころの少ない論理的な反論に仕上げて、夫の会社であり、作品の舞台であるAmazon.com上に書評として投稿する。
夫人は作家でもあるので文章がうまいのは当然としても、「ダンナの名誉を私が守る」という意気込みと愛が感じられる。

彼女が投稿した書評はこれが3本目(参照)。
過去2本は気に入った本を薦める短いもので、あくまでも一読者としてのさらっとした書評。
この2本は2001年の投稿なので、12年前。
基本的には書評を書かない人だということだ。
それだけに、今回の“アマゾンのヨメ”を前面に出した「ちょっと待った」な長ーい書評には、特別な気迫が漂う。
怖いっちゃあ怖い。

そしてこの書評が話題となり、本はますます注目され、たぶん売り上げはさらに伸びる。
そんなことを狙ってやったわけじゃないだろうけど、結果的にはそうなる。

いやぁ、たいしたヨメだねぇ。

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