「我が子に英語をやらせたいか」。
在米日本人の場合。
アメリカに住んでいる日本人女性ばかりで集まる機会があった。
ごはんを食べ終わって、雑談的に話している中で、「自分の子どもには英語ができるようになってほしいと思うか」という話題になった。
先に結論を言うと、結果は50/50。
サンプルは5 (私を除く)。
YES:2、NO:2、無回答:1って感じ。
20-30代女性、全員子どもはなし。
在米歴は1-7年。
YES と答えた2人のうち1人は日本国外(非英語圏)で、もう1人は日本で育ち、2人とも10代のうちから単身でアメリカに住んでいる。
YESの理由は「自分が苦労したから」。
NO と答えた2人は成人まで日本で暮らし、1人は大学院進学のため、もう1人は配偶者の都合でアメリカに住み始めた。
NO の理由は「日本にいる限り英語は不要」。
「どこで子育てをするか」は重要な要素なので、追加で質問してみた。
YES の2人はアメリカで子育てする可能性を考えていて、日本での子育てはあまりイメージできていないようだった。
NO の2人は日本での子育てを前提にしていて、アメリカで子育てをするなら、むしろ懸念材料となるのは日本語教育の方だった。
「日本語はちゃんとできるようになってほしい」。
そういえばYES の2人は自分の日本語力に自信がない。
YES 回答者の平均年齢はNO 回答者の平均年齢より5歳ほど若い。
で、ぼんやり考えた。
これをちゃんと調査するとしたら。
まず統計学的に意義のあるサンプル数を確保する。
対象は在米日本人、日本語母語話者。
子どもの言語教育への影響力を考え、女性に絞っていいと思う。
実在する我が子を想定しないほうが、本人の希望が現れやすいから、現時点で子どもを持っていない人がいいかな。
調査方法はアンケート。
「日本で子育てする場合、自分の子どもに英語教育は必要か」に対するYES/NO 回答を、年齢、既婚・未婚の別、既婚の場合は配偶者の母語、回答者本人の在米歴、渡米時点での年齢、学歴、英語・日本語使用状況、英語習得レベルなどによって分け、数値を分析する。
また、回答理由を質的に分析する。
今回の雑談から立てた仮説は以下のとおり。
これを検証する。
①YES 回答者はNO 回答者より日本語使用経験が浅い。
②YES/NO 回答者間で在米歴、学歴、英語習得レベルに有意差はない(=母親候補者の英語力とYES/NOに関連性はない)。
③将来的に見ても、日本で生活するのに英語は不要と考える人が多い。
余裕があったら、日本国内でも同じ調査をして比較するとおもしろそう。
私の個人的予想としては、
①在米に比べ、日本国内ではYES回答が多い。
②日本国内のYES/NO 回答者間では年齢に有意差がない。
③日本国内には、日本で生活するのに英語が必要と考える人が多い。
在米で差がなかったYES/NO 間の英語習得レベルは、①により日本国内回答者が平均値を下げるだろうから、全体としては、YES回答者の英語習得レベルがNO回答者より低くなる、
つまり、母親候補者の英語力が低いほど、YESと答える傾向が出てきそう。
「自分はできなかったから我が子に託したい」ってやつ。
さらに余裕があったら、両サンプル群ともに、「自分の子どもの日本語教育についてどう考えるか」聞いといてほしい。
英語習得レベルの高い回答者ほど、母語、日本語の能力に対する意識が高そう。
いわゆる“英語熱”を支えているのがどういう人なのか、浮き彫りになりそうだよね。
文科省は2020年までに小学校英語の開始年齢を現行の5年生から3年生に引き下げる方針(参照)。
その前に、誰か急いで調べて発表しなよ。