『岐路』、その3。
岐路に立ち、選んで進む人編。
おさらい。
『岐路』をどう捉え、その後どうするかによって、以下の5タイプに分類してみた。
1. 岐路ナシ
2. 岐路アリ・迷い型A
3. 岐路アリ・迷い型B
4. 岐路アリ・進む型A
5. 岐路アリ・進む型B
1.岐路ナシ
“最終地”が見えている人にとって『岐路』は存在せず、道は常に1本で迷いようがない。
時には思いどおりにならないこともあるが、とにかく目の前にある道を進んでさえいれば“最終地”に近づいていくから大丈夫。
2-3.岐路アリ・迷い型
『岐路』に立って迷う人は、突然選択を迫られて驚き、焦り、そのストレス状態から逃れたくなる。
『岐路』とその先の道を丸ごと取り消したり(2. 迷い型A)、分かれた道の一方が何らかの事情で塞がれ、自動的に1本になるのを待ったりする(3. 迷い型B)。
迷い型は過去に対して悔いや未練を長く抱えやすいが、未来については考えないか、比較的気楽に考えることができる。
偶然でも何でも、自分は結果的にアタリを引いたと信じることが大事。
では続いて、「4-5.岐路アリ・進む型」のことを考えてみよう。
自分が『岐路』に立ったと感じたうえで、迷わず進む人というのは、まず自分が道を歩いていることを日常的に自覚しており、『岐路』が見えてきたときに「お、来たな」と思う。
『岐路』の存在を知り、不定期にそれに直面することを予感しているので、「迷い型」のように驚いたり焦ったりしない。
この「進む型」は、『岐路』に対する取り組み方により、さらにA「支配」とB「諦め」の2タイプに分けられる。
4. 岐路アリ・進む型A:「支配」
進む型のうち、自分の意思・希望を重視し、『岐路』を前にどっちへ行きたいかを考え、「よし、こっちだ!」と舵を切る人は「支配」タイプ。
『岐路』をチャンスや成長のきっかけなどとして、肯定的に捉えていることが多い。
道の選び方としては、世間的に見栄えが良い、より常識的である、安全性が高い、などを基準にする傾向がある。
理想が高く、自信に溢れ、「決めた以上は成功させる」というプライドと意志の固さを持っている。
成功のために努力を惜しまない。
仕切り屋、リーダーに適した人。
しかし、強引で、息切れしやすいという弱点があり、また、失敗や不名誉に対して大変脆い。
最初は鼻息荒く、やる気満々だったのに、ちょっとしたことで途端に意気消沈してしまうことがある。
単独よりチームプレイを好むため他者を巻き込むことが多いが、他者に舵取りを任せることはない。
『岐路』での選択後、「支配」の対象は他者にも及ぶというわけだ。
ときには他者に無理をさせても、“初志貫徹”を優先してしまう。
他者の感情や都合に配慮し、意思を尊重して、快く応援や協力を得られるように気をつけていないと、「自分勝手」「ワガママ」という印象につながりやすい。
一方で、周囲が調子を合わせ、褒めたりおだてたりしながら、うまく支配できるようお膳立てしてあげると、能力を最大に発揮する。
5. 岐路アリ・進む型B:「諦め」
進む型のもう一つのタイプは「諦め」。
使命や運命に従うタイプで、好むと好まざるとに関わらず、進む必要がある方向を見定めて、そちらへ進む。
『岐路』に立ったとき、4.が「よっしゃ!」と張り切るのとは対照的に、このタイプは「参ったなぁ」と感じることが多い。
たとえ気の進まないことでも、時代や社会や他人からの要請、それらへの貢献の必要性を無視することはできないので、我慢して受ける。
「しょうがない」と諦める。
このタイプの人は選択において迷いようもないし、成功・不成功のような二元論で結果を見ないので、基本的にどうなっても本人はあまり困らないのだが、周りからは誤解されやすい。
非難、あるいは過度の期待や賞賛を寄せられて困惑したり、苦手なことを強制的にやらされることがある。
それも含めて諦めなければならない。
“最終地”にこだわりがない「5.岐路アリ・進む型B」は、意外なことに、“最終地”を見越している「1. 岐路ナシ」と共通する感覚を多く持ち合わせている。
1.の言う“工事中”を、5.は“諦め(+待機)”と見るし、5.の言う“岐路”が、1.の目には“遠回り”や“寄り道”に見える。
温度が低めだとか、地味だとか、誤解されやすいとか、1.と5.はキャラ的にも似ているところがある。
以上のことを、たとえば「食」に当てはめるとこんな感じかしら。
1. 岐路ナシ=雑食、ときどき断食
2. 岐路アリ・迷い型A=拒食
3. 岐路アリ・迷い型B=偏食
4. 岐路アリ・進む型A=肉食、ときどき過食
5. 岐路アリ・進む型B=草食、ときどき雑食
まとまったような、せっかくまとまりかけたものを散らかしたような。
おしまい。