生後1ヶ月になるSと、待望の初対面を果たす。
Yと出会ったのは2008年秋。
新入生だったYに、3年生の私が、先輩風を吹かせて話しかけたのが始まりだった。
そのときはまさか私がコミュニケーションに“入学”するとも、Yと同じタイミングで修士を終えることになるとも思っていなかった。
しかしそんなことはYの想定外っぷりとは比べものにならない。
2年でとっとと母国へ帰る予定でいたYはその後、結婚し、PhDに進み、クラスを受け持ち、家を買い、子どもができ、今やグリーンカード発行待ち。
「計画なんて何の役にも立たない」と彼女に言われると、反論のしようがない。
親孝行のSは学期が終わるのを待って、予定日の1日後に生まれてきた。
4000g超の巨大児にもかかわらず、陣痛は最短、安産で、母子ともに健康。
ひと月経った今も食欲旺盛で、哺乳瓶にしっかり食いつき、ブヒブヒ鼻を鳴らしながら、結構な速度でミルクを飲む。
Yの母らしい姿にも感動。
ゆりかごに戻してからは、赤ちゃんらしからぬキリッとした顔立ちで、お気に入りのピンクの人形を見つめている。
うぅぅ。かわいいよぅ。
まもなく、ふにゃあっと大きなあくびが出た。
ちょっとぐずりだしたなと思ったらもう目がトロトロ。
Yに「寝かしつけるときは抱っこ?」と聞くと、「いや、勝手に寝るから大丈夫」とのこと。
ゆりかごのバイブとオルゴールをオンにしたら、本当にあっという間に眠ってしまった。
まぁ楽チン。
パッチリだったおめめを閉じて、すーすー寝息を立てて眠る。
時々まゆげのあたりや口がむにゅむにゅ動く。
んんんーん。
「一日中だって見ていられるよ」と言ったが、Yの賛同は得られず、部屋を移動してお茶会となった。
Mrs. Londonのケーキを食べながらいろんな話をした。
家族のこと、自分のことなど、不安や難題をいくつも抱えながら、ちゃんと前に進んでいるYは本当に強い。
“I’m just blessed”と言うけど、それだけのはずがない。
私もがんばろう。
Yに会うといつもそう思う。