iichiko design展

『iichiko design展』(参照)に行ってきた。

私は焼酎としてのiichikoはよく知らないのだが、広告はずっと前から大好きでよく知っている。
画と音楽とコピーが実に美しく融合して、完成度の高い独特の世界観をつくっていると思う。

子どものころはiichikoのCMが流れてくると、耳をふさいで布団をかぶったものだった。
心をぎゅっと掴まれるような、苦しいようなあの感覚を、子どもの私は「怖い」としか形容できなかったのだ。

その感覚が「切ない」というものだとわかってからは、駅にポスターが貼ってあれば足を止めるし、CMが流れればうっとり眺め、ため息をつくようになった。
大人になるというのは本当にずるいくらい素敵なことだと思う。

その広告を一堂に集めた展覧会があるというのを地下鉄の吊り広告でたまたま知ったので、初日に行ってきた。
ポスターや雑誌用の広告は期待以上の展示数。
映像作品や小道具なども並べられている。

海、花、鳥、動物、ときどき人間。
『下町のナポレオン』は日常とは無縁の遠くの町へふらりと出かけ、雄大な景色を眺めながら自分の小ささを省みたり、胸のうちをポロッとつぶやいたりする。
きっと普段の彼は人の多いところで暮らしているのだろう。
呑んで忘れたい気分になることもあるけど、お酒はあまり強いほうじゃないんじゃないかな。
人に疲れ、人から離れてひとりになりたいと思うのだけど、ひとり旅に出た先ではずっと人のことを考えていて、結局は人恋しくなって帰路につくのだろう。

透明ボトルの『パーソン』は見た目がおしゃれなだけに、よせばいいのについ格好をつけたがる。
不安に潰されそうになるのを、本当は誰かに気づいてほしいのに、強がって、大人ぶってみせる。
キミ、そういう自分が大好きでしょう?

そんなことを考えながら、擬人化したiichikoに共感したり、同情したり、ニヤッとしたり、涙が出そうになったり。
会場に流れていた25年分のTVCM集をひと通り全部観て、アンケートに回答を書き込んで、写真集でも売っていたら買おうと思って出口に向かった。

アンケート回収。
それと引き換えに差し出されたクジを引いたら、なんと”iichiko design 2013″という写真集が当たった。
今日展示されていた作品を含む1400点余りの広告デザイン集に、30本のCMを収めたDVDが付いた立派な写真集。
きゃー!

人生は山あり、谷あり。
捨てる神あれば、拾う神あり。
iichikoさん、そういうことでしょう?

ほっこり癒されて帰ってきた。
とっても素敵なイベントだった。

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