マクドナルド

日本のマクドナルドは10/1からカウンター設置のメニューをなくしたそうだ(参照)。

私はファストフード店を利用することがほとんどないので、このニュース自体にはまるで興味がないのだが、これをきっかけにいろいろと深読みをしてみた。

たとえば、価格のこと。
マクドナルドは地域によって価格を変えており、そのため公式サイトには商品価格を載せていないらしい。
『価格の調べ方』(参照)で薦められているウィキ(参照)を訪ねてみると、ものすごく詳細に調査・報告がしてあって感心してしまう。
逆にいえばこんなページが誰でもアクセスできる状態で公開されていても、マクドナルドは頑なに価格を非公表にしているわけだ。
おもしろい理由がありそう。

カウンターのメニュー撤廃については反対派が多い様子。
マクドナルドともあろう会社が、カウンターでのメニュー利用の実態を管理できないはずがない。
客がカウンター上のメニューを見て注文する傾向があることぐらい、昨日今日入ったバイトだって気がつく。
撤廃すればクレームが起きるのは火を見るより明らか。
それを、いわばサプライズ的に実施した。
マクドナルドはここからどんな展開を想定しているのだろうか。

カウンター上のメニューってのは外国にはあるのかな。
たとえばアメリカのファストフード店はどうなんだろう。
比較文化論になりそうだ。

メニューを自主制作してネット上でシェアするという親切な人も現れたとか(参照)。
「これをスマホに落としてカウンターで使う」というアイディア、なるほど。
テクノロジーが発達するとイタチゴッコが促進されるという相関関係かな。

で、このメニューをじっくり見て、うっかり計算したりなどすると、実はセットメニューは単品購入より高いことがわかるらしい(参照)。

これを「ぼったくり」と見ることももちろんできるが、私はちょっと違う見方をしている。
単品より高額なセット価格は、これから主流になるのではないか。

昨今の日本人は、いわゆる思考停止を好んで行う。
自分は何が好きか嫌いか、何をしたいかしたくないか、わからない。
「わからない」と口にすることを恥ずかしいとさえ思わない。
決めること、考えることを強いられるとストレスを感じ、逃げたくなる。
誰かに説明/解説/決断/判断をしてもらうと安心する。

これは社会的および教育的にはとんでもなく重大な問題であり、愛国心のある者なら危機感を覚えるはず。
だが、もし私がカネ儲けをするのなら、これを使わない手はないと思う。
消費者が考えることを放棄したがるのならば、そこにはカネをむしり取る隙ができる。

そもそも「単品よりセットのほうがお得」というのは、客に迎合しすぎている。
発想を転換させよう。
「単品の注文を一つずつ聞いて打ち込む手間を省く」というのは業務上の効率化であって、客側には関係がない。
まけてやる必要がどこにあるのか。

それどころか、セットは「決められない/わからない」客を救っている。
セットの中身は決して支離滅裂な組み合わせではない。
「セット」の一言で、思考停止状態の客相手にでも、ちゃんとメイン+サイド+飲み物を提供できるようにしてある。
店は客の代わりに食事の構成を考えてやっているのだ。
そこに付加価値がついてもおかしくない。

コーディネータって職業あるでしょう?
あれと同じ。
お客様は何もしなくても大丈夫。
こちらですべて用意しますからご安心くださいませ。
(極小の文字で)『※コーディネートは有料でございます。』

試しに高めのセットメニューを前面に押し出し、単品の注文をちょっとばかり複雑にしてみる。
最初のうちは混乱もあるだろうが、しばらくすれば「まぁ数十円のことならいっか」「セットのほうがラクだし」「どうせいつも同じものを注文するんだし」などと言って、客はセットに余分なカネを出すことに抵抗しなくなる。

プロに組み合わせを依頼して安心を買う。
この手法はまもなく他社・他業種にも波及して、『おまかせパック』の類は軒並み価格が上がる。
「代わりに考えてもらうんだから、高くてもしょうがない」。
それが常識になる。

繰り返すが、これは大問題。
そしてこの問題に気づいていない人は日本の外にはあまりいない。
丸腰で骨抜きのカネ持ちを、世界は虎視眈々と狙っている。

「決めるの苦手でしょう?こちらでやりますよ」
「簡単にしておきましたよ」
「難しいことは知らなくていいんですよ」
「考えるのはやめて休んでいてください」
「みなさんそうしてますよ」
日本人に思考をさせないために、カネを出させるために、世界は必死で知恵を絞り、さまざまな仕掛けをしてくる。

がんばれ、ニッポン。

「マクドナルド」への2件のフィードバック

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