TED Talksを使った授業アイディア。
本当は使用言語なんてどうでもいいのだが、立場上、日本人向けの英語の授業を想定しておく。
対象者は大学生以上かな。
15人までぐらいの少人数クラスがよいと思う。
【ゴール】
・聞き、考え、意見を交換する。
・活発な議論を促し、意見をまとめる。
“教室にTED Speakerをお迎えした”という設定で、ゲストの話を聞き、感想や意見を言い合う。
MC(ホスト)役は司会進行をする。
【準備】
受講生の全員が必ず一度はMCを務めるようスケジュールを組む。
順番だけを決めて受講生にTalkを選ばせるほうが望ましいが、クラスの性格によってはインストラクターがあらかじめTalkを人数分用意し、その中から選ばせるようにしてもよい。
第1回の授業でインストラクターがMC役をやってみせると、内容が受講生によく伝わり、第2回以降の授業の導入になる。
MC役としてお手本となるような映像を見せ、ふさわしい態度や言葉遣いに注意を向けさせておく。
必要に応じて、”Please welcome” などの紹介の仕方や、意見を引き出すためのフレーズ集を作り、配布しておいてもよい。
参加者がビデオを予習してくるのは許可してもよいが、“意見”を事前に作文してきてしまうとディスカッションのライブ感が失われる。
インストラクターはディスカッションの意義を受講生にしっかりと伝え、授業の質が保たれるようコントロールしておくこと。
【授業の流れ(40-45分:時間は目安)】
①MC役の受講生がゲストの紹介をする(3分)。
経歴や著書などBackgroundについて言及したり、なぜこのビデオを選んだかという理由を述べたりして、“ゲストが気持ちよく登場できるように”お膳立てをする。
聴衆の興味を引くように、ネタバレにならない程度に、“前フリ”をしてもよい。
②Talkを聞く/ビデオを見る(10分)。
受講生の英語レベルやTalkの内容によって、日本語または英語の字幕を利用する。
十分な台数のコンピュータが用意できるようなら、各受講生がそれぞれのペースで見られるようにしてもよい。
※授業時間に応じて、時間制限を設けること。
あらかじめ「10分以下のTalk」のように短めのビデオに限定しておくか、長いTalkの場合は一部をカットして見せるようにMC役の受講生に指示しておく。
③Talkについてディスカッションを行う(20分)。
MC役はTalkの中から一言を選び、そのシーンだけをもう一度クラス全員に見せる。
“The speaker said XXX. What do you think?”のようなフレーズを与え、ディスカッションをリードさせる。
※どの一言を選ぶか、事前にMCとインストラクターで打ち合わせをしておいた方が安全。
インストラクターは基本的には聴衆の一人としてディスカッションに参加する。
どうしようもない時だけMCに助け舟を出す。
④MC役によるシメ(3分)。
ディスカッションで出た意見をまとめる。
ディスカッションの流れについて感想を述べる。
⑤コメント・感想を書く(5-10分)。
コメント用紙はインストラクターが目的に合ったものを用意しておく。
たとえば受講生それぞれの成長を記録したければ、自己評価の推移がわかるように。
MCとしてのスキルを重視したければ、参加者からのフィードバックという形式にする。
ただし、コメントを書くことが授業の主目的になってしまわないように、なるべくさらっと書けるものに留めておくこと。