『「英語が使える日本人」の育成のための行動計画』(参照)を読んでみた。
PDFで18ページ。
余白もそこそこあるので量としてはたいしたことない。
日本語だし。
それでもうんざりするほど長く感じる。
何度も挫けそうになりながら、我慢して読んだ。
「英語が使える日本人」に「」(かぎ括弧)をつけたのはどういうわけなんだろう。
題からして、この言語センスでは先が思いやられる。
でも頑張って読んだ。
文中に出てくるカタカナ語が気持ち悪い。
特に繰り返し使われている『モティベーション』が気になってしょうがなかったが、何とか読みきった。
これだけ読みにくければ、たとえネット上で公開されていても、普通の人は読まないだろう。
読まれないように仕掛けて公開しておくというのは、非公開よりタチが悪いんじゃないかと思いつつ、読んだ。
内容をものすごく平たく簡潔にまとめると、こんな感じ。
「とにかく生徒たちに英語を使う機会をたっぷり与える。
そのためには留学もさせるし、ネイティブもいっぱい入れる。
英語が得意な一般人もじゃんじゃん活用する。
もちろん先生方には自分たちの英語力を上げてもらう。」
全体の英語力アップ(例:中学卒業時に英検3級)を図りつつ、英語が得意な子にはさらに上達してほしい。
そこで計画されたのは習熟度別指導の導入や、スーパー・イングリッシュ・ランゲージ・ハイスクールの設置。
…スーパー・イングリッシュ・ランゲージ・ハイスクール。
えーと。
ま、『英語エリート養成校』とかよりカッコいいのかも、ね。
最後のほう(pp.13-14) には『国語力の向上』というのが、まるでオマケのように付けられている。
国語は英語ができるようになるために必要、つまり英語が主で国語が従という扱いなんだね。
斬新。
この計画が出されたのは2003年3月。
給付金利用で英会話学校が盛況だった頃だな。
私の担当クラスにも小学校の先生が何人かいた。
「英語教えなくちゃならなくなった」と駆け込んでこられたのだ。
それから9年。
現場の先生方はあいかわらずお困りの様子。
ネイティブ増員のため、JETプログラム以外からもALT(外国語指導助手)を採用した結果、評判はガタ落ち。
『行動計画』に沿うために英語教員への注文を増やす人もいれば(参照)、そもそも、根本的に向かっている方向が間違っているとして、国家的危機を訴える人もいる(参照)。
日本の英語教育をどうするかは大変な難問。
ため息がでちゃうよ。
しかし、日本中の老若男女、国民の関心がこれほど高く、それぞれが身近な問題として考えられるほど世の中に浸透し、政治も経済も産業も、その他諸々もいっさいがっさい巻き込んで、みんなでワイワイ語れるトピックなんて、いつの時代もそう多くない。
そういう意味では、英語教育は“今が旬”なんだろうし、それはまだしばらく続きそうだ。
いつから、どこで、どういうかたちでかはわからないけど、いずれ足を踏み入れることになる。
それまでは遠巻きに眺めて、Xデーが来るのをせいぜい嫌がっておこう。