NHKがエイプリルフールの件で、謝罪したんだってさ(参照)。
カレンダー上イベント不足の時期にちょうどいい立地の4/1でありながら、エイプリルフールは日本に根付かない、というのは、2010年に書いたとおり(参照)。
この記事を書いたきっかけとなったのは、ある人気ブログでエイプリルフールネタを信じた読者たちが大真面目な心配や忠告をし、翌日それが嘘だったと発表されると、今度は非難囂々に転じた、という騒動。
“正しい”の国の人はプライドが高いことが多いからねぇ。
『品格』だの『アイデンティティ』だのとスケールの大きい話にまで発展した挙句、「傷ついた」「バカにするな」と攻撃する読者を他の読者が「過剰反応」「遊び心がない」と攻撃し返す、という、後味の悪いものになった。
このブログでのエイプリルフールは2010年まで恒例だったのだが、それ以降、少なくともここ2年間は実施されていない。
今回のNHKの一件で、NHKはもとよりマスコミ各社も、エイプリルフールに手を出さなくなるだろう。
この手のお怒りは怖いというより、面倒くさいからね。
2年前、日本におけるエイプリルフールは「『嘘をついてもいい日』と伝わっている」と書いたが、昨今は『気合の入ったオフザケをしてもいい日』になっている印象。
でも、エイプリルフールの真髄である『ジョーク』というものについては、あいかわらず理解されていないと思う。
こちらやこちらのサイトにまとめられているものをざっと見渡しても、日本発信の“エイプリルフール”ネタの中に、April Fools’ Dayらしい、スマートなジョークは見当たらない。
件のNHKのツイートにしたって、文末に「#エープリルフール」と入れているあたり、興ざめ。
つまらない上に苦情につながっちゃうんだから、もう日本でエイプリルフールを流行らそうとするのはやめたほうがいいかもね。
下手に騒いだ結果、大掛かりな反感を買って、エイプリルフール禁止、みたいなことにでもなったら、高品質のジョークを発信している人や、毎年それを楽しみにしている人たちに迷惑がかかる。
日本にだって、そういう粋な遊び方を知っている人はいるんだから。
ま、相容れないなら相容れないでいいじゃないの。
大々的な日本式エイプリルフールはやめましょうよ。
文化の壁ってのは越えればいいってもんでもないしね。
ウチのブログでは 2005年から毎年エイプリル・フールにジョークをかましてますが、2006年のサブリミナルCM ネタと 2007年のハエ取りリボン・ネタを越えるジョークを生み出せていないのが、痛恨です。
(参照)
http://tak-shonai.cocolog-nifty.com/crack/2006/04/post_2af3.html
http://tak-shonai.cocolog-nifty.com/crack/2007/04/post_d32e.html
takさんのブログを拝見すると、エイプリルフールを知的に楽しむためには、4/2-3/31の間の土壌づくりが大事なんだなぁと思わされます。
確かにこの2作品の完成度は素晴らしいです。で、2008年以降はバレやすいようにと配慮されたんですよね。ジョークの天敵は「真に受ける読者」かもしれません。