“Unlike”の意味は、「似てない・違って」だけじゃないのだ。
ペーパーフェイスブッカーだった私がFBを使い始めて1ヶ月。
「ほー」と思ったのはその用語の独特さ。
以下、FBの経験がない人には、なんのこっちゃかさっぱりわからないだろうけど。
冒頭の“Unlike”は「いったん付けた“Like”を引っ込める」という意味の動詞。
日本語版ではどう訳されているんだろうと思って調べたら、“Like”は『いいね!』で、“Unlike”は『いいね!を取り消す』。
うーん、いかにも苦しい。
(ついでに『いいね!』の「!」も苦しい。)
『いいね』→『と思ったけどやめた』ってことね。
同じように接頭語“un-“を使って「いったん“友達”になったのを引っ込める」ことを“Unfriend”という。
じゃあ“友達”に入れるときは”Friend(動詞)”かと思いきや、“Add as Friend” …って、普通かよ。
“Friend”の動詞使いは難しいとしても、”un-“を生かすなら、せめて“Friendize/Unfriendize”ぐらいにしたらいいのに。
日本語は『友達になる』『友達から外す』ともったり感はあるけど、対義語としてのバランスは英語よりずっといい。
ところで英語の“Friend”よりもさらに軽いFB語の“Friend”を『友達』と日本語訳しちゃったのは失敗だろう。
FB日本語版はもともと有志のボランティアが英語版を訳してできたらしいから仕方ないけど、SNSにおいてもっとも大事なキーワードなので、もうちょっとひねってほしかった。
英語とFB語と日本語に堪能な人が訳したら、カタカナで『オトモダチ』ぐらいにしてくれてたんじゃないかな。
『フレンド』でもよかったのに。
聞くところによると日本では去年あたりから「フェイスブックってのが来るぜ!」という“予告”に乗って、30代後半~40代以上の層がどゎっとまとめてFacebookに参入してきたらしい。
会員の平均年齢の動向とかおもしろそうなデータあるんだろうなぁ。
学生しかいなかった日曜の資格試験会場がいつのまにかサラリーマンだらけ、みたいな。
というわけで、アメリカでは今も学生寮内の雑談的なところが多分に残る一方、日本ではオトナのビジネス戦略ツールとして仕掛けられたとおりの形で広まってきている。
(ユーザーは仕掛ける側にいるつもりだろうけど。)
だから日本人のFBの主な使い道は『売り込み』。
マーケティング的マニュアルには「まずはオトモダチを1000人作れ」と書いてあるらしく、現段階ではとりあえず闇雲にリクエストを打って
入れ食い状態で承認して…と、市場整備中の人が多いようだ。
やりとりの特徴は当たり障りのない季節の挨拶や、耳寄り情報を提供・シェアというパターンで発信し、オトモダチのところを巡回して“Like”を押しまくる、という方法で“親しく”なって土壌を肥やす。
この『”Like”を押しまくる』もマニュアルどおりらしいのだが、日本人に際立って特徴的な行動になっている。
個人的には、あいづち多発な日本流のコミュニケーション様式がこんなところにも影響しているんじゃないかと睨んでいる。
『FB語と日本式FB文化』というテーマで論文が書けそうだ。
書かないけど。