異常を敏感にとらえる動物と、そうでない動物のこと。
いちばん有名なのはナマズだろうけど、もっと身近なイヌやネコや鳥たちも、地震の“前”にいつもと違う行動をする。
先月のニュージーランド大地震でも、数日前に大量のクジラが座礁していたのが発見されている。
“前”といってもこれは人間が地震を感じる瞬間を基準にした、この上なく身勝手な測り方。
動物たちが反応するのは確実に変化が起きた“後”のこと。
変化→動物の反応→それを見てもまだ感じない…って、なかなかの時差だよね。
まぁ我々も理由があって感覚を鈍化させているわけで、いちいち反応せずに済んで助かってることも多いから、文句は言えない。
同じ人間の中でも察知の早い人と遅い人がいる。
予知能力というよりも、もっと直感的なところで、なんとなーく気配を感じて危険を回避する人と、実際に火の手が上がっても熱も臭いも音も感じず、危険が目の前まで迫ってきて初めて気づき、驚く人。
こうした動物的な勘が生きる力に直結しているのは、なにも自然界に限ったことではない。
アメリカで知り合った日本人のうち、勘のいい人ほど、アメリカ永住、つまり日本へ帰らないことを決めていて、残念ではあるが仕方がないなと思う。
また、雲の色を見て育ったような人が、家族をつれて日本からアメリカへ移住してきたりもしている。
それぞれ、きっと何か感じているに違いない。
そろそろ方舟に載せるものを選びはじめないと間に合わないのかも。
日本から流出しているのは頭脳や技術だけではないのだ。
でも、ま、私は日本へ帰るよ。
何もできないとしても。
「このままじゃヤバイらしいよ」という噂をなるべく広めて、態度と規模のダウンサイジングのために急いで知恵を絞って、それでもダメならみんなで一緒に溺れましょ。