子どもの目に映る私は、よっぽど面白いんだろうと思う。
日本でもアメリカでも、なぜかよく子どもにガン見される。
子どもがいれば私の方もつい見てしまうから、そこはお互いさまなんだけど、「あ、どうも」的な挨拶をして目をそらした後も、じぃぃぃっと見つめられていることが多い。
一緒にいる人に、「あの子ずっとemiを見てるよ」と言われたりする。
うん、知ってる。
子どもの方は私に気づかれているとは思っていないけど、私の方は気配でわかっている。
だからぱっと振り向くと目が合ってしまい、子どもはびっくりして恥ずかしがっちゃうのだ。
そういうわけで見られることには慣れているが、先日さすがの私も驚いたことが起きた。
母が電池式のTealight(テーブルや窓辺に置く小さい丸キャンドル)を買いたいというので、アメリカの自宅近くのドラッグストアへ行った。
ホリデー用の電飾のコーナーに向かうと、そこにはすでに若い白人夫婦とよちよち歩きの男の子がいた。
彼らが商品を選ぶ間、ほどよい距離を置いて待っていると、男の子がふわーっと寄ってきて私を見上げた。
ま、ここまではよくあること。
スマイルで返す。
すると次の瞬間、男の子は「emi」と言った。
私も母も耳を疑った。
その後もぶちゃぶちゃの唇を動かして、「emi」「emi」と繰り返す。
両親が気づいて「この人はemiじゃないよ?」と言うので、いや、実は私emiなんです、と告げると、今度は両親が驚いた。
“emi” (Emily/Amy?)は男の子をかわいがっているお父さんのいとこの名前で、いまのところ「パパ・ママ」以外で、彼が唯一呼べる名前だそうだ。
そんなことがあるんだねー。
簡単な名前でよかったよ。