「欧米の親は添い寝しない」ってよく聞くよね。
日本在住・日本人で欧米文化ファンのお母さんが「子どもの独立心を育むため、うちは添い寝をしないんです」と自信たっぷりに言うのを聞いたことがある。
暗い部屋に子どもをひとりで寝かせ、泣いても喚いてもドアをぴしゃりと閉めたまま、「心を鬼にして」「子どものために」放っておくのだそうだ。
やがて子どもは泣き疲れて眠り、めでたく独立心なるものが育つらしい。
まぁそれぞれのご家庭の方針だから口出しはできないけど、誤解というかちぐはぐなところが、ね。
さらにそのしわ寄せを受けるのが子どもだとなると、ちょっと黙っていられない。
確かに欧米では赤ちゃんのうちから個室を与え、親とは別に寝る家庭が多い。
個室で育った子が親になって、自分と同じように子どもを育てるのはごく自然なこと。
また、大人優先の社会では、夫婦の寝室に子どもを入れることに抵抗が生じる。
つまり伝統的に、あるいは風習として、親と子は別々に寝ているのだ。
取り立てて“独立心を育もうキャンペーン”が行われているわけではない。
そして欧米にも添い寝はある。
ある女性誌の“たまひよ”コーナーには『添い寝のススメ』というような記事が載っていて、理想的な白人一家が“川の字”で寝ている写真が添えられている。
そこに寄せられた読者のコメントは賛否両論だけど、現在進行中の親にも子育て卒業組の中にも添い寝派がいることがわかる。
添い寝反対派の理由として、上にも書いた夫婦生活の他に安全面が挙げられている。
「添い寝なんて危ないじゃないの」ということだ。
欧米ファンの日本のママたちもさすがに、添い寝=危険、という発想はないだろうなぁ。
というわけで添い寝の注意点として「アルコールや薬物を服用したときの添い寝はダメ」「ふかふかの寝具は避けましょう」などが明記されている。
こうしたことに気をつければ、夜泣き・授乳・親子の絆などの点で、添い寝にはメリットがいろいろあるよ、と記事は伝え、賛成派はそれに沿ったコメントを残している。
異国のやり方を取り入れるのは結構だけど、子育ての方針という重大な決定をするなら、ぜひこれくらいのことを調べてからにしてほしい。
私は欧米人が欧米でどう寝ようと知ったこっちゃないが、日本に住んでいるならナニジンでも、添い寝の方がいいんじゃないの、と思う。
日本のような地震大国で夜中にグラッと来たとき、小さな子どもが別室にいるだなんて。
私が母親なら心配で眠れないよ。