Kansaiben as a Second Language
関西弁を習う。
外国語ペラペラになろうと思ったことはないが、関西弁ペラペラには長年、強い憧れがある。
が、関西人は英国の言語学者以上にNon-nativeに厳しく、「なにそれ」「おかしい」とすぐチェックが入るし、「気持ち悪いからやめてくれ」とまで言うので、下手な関西弁をしゃべることが許されない。
つまり私のような初級者はひそかに研鑽を積んでNative-likeまで到達してからでないと、ネイティブの前で関西弁を話すことはできないのだ。
このたび、ノンネイティブの関西弁に耐え、親切に指導してくださるE先生にお願いして、私の下手っぴ関西弁を逐一直していただくことになった。
うれしい。
テレビなどメディアを通じてのExposureは積極的に取り入れてきているので、表現やボキャブラリーはそこそこ足りているし、リスニングやライティングはまあまあできる。
が、いかんせん発音・イントネーションがまずい。
言うことを考えて文にして、頭の中で翻訳してからアウトプットするので時間はかかるし、繰り返すうちにどっちがどっちかわからなくなるし、もどかしくて手がやたら動くしで、大変なカタコトっぷりだった。
また、芸人さんをお手本にしてきたせいで、ちょっと濃すぎて不自然になるところを指摘された。
関西弁を意識するあまり、商人のおっちゃんみたいになったり舞妓風になったり、「誰?」っていう人になったり。
「~やねん」「~へん」とかは、わかっていても初級者にはまだ早い気がして、思い切って使えない。
第二言語って難しい。
2時間ほどの実践的なレッスンの間に、関西イントネーションの“波”がわかるようになってきて、ちょっとそれっぽくしゃべれるようになった。
それにしても素晴らしいのは、私の探り探りなしゃべりに対して返ってくる、ネイティブE先生の見事な関西弁。
あんなふうになりたいよぅ。
自転車の後ろを持ってもらってやっと走れるような状態なので、せっかくつかめてきた“波”も、通常イントネーションに戻した途端に消えてしまう。
やっぱり本場へ留学しないと身につかないのかな。
KSLのクラスがあったら、全国から集まったノンネイティブ同士が下手な関西弁で「自分、どっから来たん?」「近いやん。ええなぁ。どうりで上手なはずやわ」「いやー近くても関係ないで。むつかしいわ」「がんばっていこなー」とか言うのかな。