子ども味

子どもの食べ物を大人が楽しむ。
それ自体は別にいいけど。

駄菓子といわれる類のものを欲しいだけ買える年齢になって、欲しいだけ買う。
おこづかいが足りなくなることもなく、「いいかげんにしなさい」と叱る親もなく、叶えたかった夢がいとも簡単に叶う。

私だって、プッチンプリンをバケツで食べてみたいとか、メロンジュースのプールで泳ぎたいとか、希望はあったから気持ちはわかる。
でも実際に大人買いしたところで、今の私はプリンならレギュラーサイズ1個がやっと。
メロンジュースなんてひとくちでじゅうぶん。

塩辛に日本酒の方が…ってほどカッコよくはなれないにしても、子どもの頃に好きだったものって、だんだん口に合わなくなるのが自然なんじゃないかと思う。

私が子どもの頃なら完全に子ども用だった棒アイス系のCMが、明らかに大人をターゲットにしている。
コンビニに並ぶお菓子のパッケージはどれも大人っぽくなった。
大人の客が男女を問わず、おそらく自分で食べるために買っていく。

イヤ、好みはいろいろでいいんだけどね。
懐かしさならともかく、大人になっても“子ども味”を変わらず楽しめるってことが、なんだかちょっと引っかかるのだ。
本当においしく感じてるってことに。

マンガを読むなと言うつもりはない。
読みたい人は読んだらいいさ。
でもマンガを子どもの頃と同じ熱量、同じ本気度で楽しめて、オカタイ読み物を子どもの頃と同じように敬遠する自分に、背筋がぞぉっとしたりはしないのかしら。

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