Yちゃんの病院があるエリアには、ガイジンがたくさんいる。
道を歩いていてもお店に入っても、外国語があちこちから聞こえてくる。
アジア系の言語もあるが、やはりいちばん多いのは英語。
大所帯の団体旅行客から、住民らしい親子連れ。
金髪碧眼のビジネスマンなど。
母国から来た友達や家族をガイドしている外国人もいる。
大変おおざっぱな観察だが、その外国人に対応している日本人の英語力が軒並み高い。
英会話チェーンだったら上級に配属されるような人がゴロゴロいる。
地方で第一級の通訳も、東京に来ると仕事にありつけないと聞く。
まぁ、そういうことだろう。
名古屋にはつい先日、駅のきっぷ売場で、いかにも戸惑っている白人女性がいた。
「大丈夫ですか?」と声をかけると、英語の方が話が早そうだったので切り替えたら、”I’m glad you speak English”と言われた。
カフェなどで英語を遣うと、たとえ小声でも周りからの視線を感じる。
ここでは、それがない。
もちろん文化的な違いもあるが、ガイジン側のニッポンについての理解が深く、日本人で英語が堪能な人も珍しくないとなれば、たかが英語に過剰反応するわけがない。
地元の方言と東京弁を操る日本語ネイティブのバイリンガルは、外国語を覚えるのも早いのかもな。
所得や物価やインフラやおしゃれ度に地域格差が歴然とあるように、英語力にもやっぱり大きな差があるのだろう。
そういえば地方でよく見る、「…言いたいことはわかるけどね」っていう“惜しい”英語の看板が東京には少ない。
たとえば京都での観光英語など、ある地域で特定の得意分野が発達している、なんてこともあるのだろうか。
ひょっとしたら“全国統一”な英語教育はもう古いのかもしれないなぁ。