遅い夕食。どしゃ降り。
駅前のどこかで食べて帰ろう。
学生時代にときどき行った、ハンブルグステーキの店へ。
なつかしい。
店内はほぼ満席で忙しそうなのに、ベテランウェイターのおじさまがなにかと気にしてくれる。
瓶の水を手酌するところを見つかって、わざわざ注ぎに来てくれた。
「今日はおひとりで食事なの?」。
こんな声かけができるおじさまが、気取った街の老舗洋食店にはよく似合う。
この街の人がみな洗練されているとは思わない。
でも少なからず“トーキョー”を意識して、たとえニセモノでも背伸びしてでも、街の名に負けないようにがんばっていると思う。
昔ほど戻りたいとは感じなくなったけど、やっぱり好きだなぁ。
これでもうちょっと広々していればなぁ。