学会発表

研究業界広しといえど、そんなヤツおらんやろ。

発表用のパワーポイントから何から、前夜になってホテルの部屋で作り始めた。
つまり一人前の顔をして会員バッヂをつけ、開会式や集合写真に参加したり初日の発表を聞く間、実は自分の発表は準備できていなかったというわけ。

だってイヤだったんだもん。
イヤすぎて触りたくもなかったんだもん。

もちろんまったくのゼロから、というわけではない。
Abstract(要約)を3月初めに提出し、それが通ったからこそ招待されたわけだし、5月下旬の帰国前にはFull paper(全文)も出した。
だから発表の方向性は固まっている。
ただ、その締切以来、約1ヶ月の間、一切勉強もせずすべてを封印していたので、自分で何を書いたのかも覚えていない始末だった。

いよいよ観念してペーパーを印刷することにしたのが、マカオへ発つ前々日。
自宅プリンターのインクが切れていたので、実際に印刷できたのは前日。
経由地の台北までの機内で一読。
「ほほぅ、なかなかおもしろいこと書いてるじゃない」と他人事みたいな感想を持つ。

で、なんだかんだで、前日の夜、夕食を済ませてからようやくお尻に火がついて、パワーポイントを立ち上げた。

わかっちゃいたけど、やり始めれば否応なしに集中力は高まり、アイディアも沸き、結果、時間が足りなくなる。
0時までに終わらせる予定だったが、午前4時ごろまでかかってしまった。
当日じゃないかい。

朝イチのK教授のKeynote Speechをすっぽかすわけにはいかないので、間に合うように出かける。
後のPlenary Speechはこっそり抜け出し、ホテルのビジネスセンターでDiscussant用にスライドのプリントを作成。
残り3時間ほどは部屋にこもってリハーサル、リハーサル。

…というバッタバタの舞台裏がバレた様子もなく、初めての国際学会発表は無事終了。
ま、発表自体は時間的にも内容的にも、普段のクラスの方がうんと大変なので、アメリカの大学院で鍛えられているのはよかったかも。
オーディエンスもチェアの方もみなさんとても好意的で助かった。

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