ハグがしにくい、について。
もともと伝わりにくくて、最近は特にややこしいのだが、私は基本的にハグに抵抗がない。
というのも、記憶のある限り、うれしかったり悲しかったり、その他諸々の折に触れ、ハグをする親に育てられているからだ。
どこの家庭でも普通にしているんだと思っていた。
日本人がハグをしないと気づいたのは、大学生になってから。
当時留学中だった幼なじみのMちゃんを訪ねて、オーストラリアで再会をしたとき、駆け寄ってハグをしたら「やっぱり外国に来たらハグだよね」と言われ、そういえば日本ではあまり見かけないな、と初めて気がついた。
いまや“アメリカ帰り”などという残念な立場になってしまったので、軽々しくハグなどするわけにはいかない。
日本にいる間は、家族と欧米人の友人以外にはハグはしないよう気をつけている。
それでも相手が子どもだと、かわいくてついハグしちゃうことがある。
ハグされ慣れていない子は固まるので、その反応を見て「あ、ごめんごめん」となったりする。
実はこれ、場所がアメリカでもややこしい。
以前、親しい韓国人に久しぶりに会ってハグをしたら、「すっかりアメリカナイズされたね」と言われたことがある。
アメリカ人の中には「アジア人はハグをしない」ということを意識しすぎて、ヘンに躊躇する人もいる。
まぁあえて積極的に推進するつもりもないんだけど、あくまでも自然な反応なので、「あ、そうか」とか思って意識的に避けるのも不自然というか不便なものだ。