見たこともない茨の道について、いいかげんに想像してみる。
私は髪が伸びるのが早い。
Albanyのような美容院のない町で(イヤ、選ばなければあるけどさ)、かつ美容に割く時間のない生活で、髪を短く保とうと思うと困ったことが起きる。
「んもう、切りたいのに」
「あぁもう伸びないでよね」
「ボサボサじゃないの」
「うっとおしいなぁ」
ここで心機一転、ロングにすることに決めてしまうと、あら不思議。
髪がスイスイ伸びて、あっという間に思い通りの長さに。
(イヤ、スタイルには問題あるけどさ)
大学というところが勉強したい人に協力的だということがわかった。
学校の外にいると、『学校=勉強の場』は当っっったり前に見えるが、中に入るとむしろ全員が常に前向きでないことに慣れてしまう。
気持ちを強く持ち続けることは簡単ではない。
「また課題かよ」
「こんなことやって意味あるのかな」
「辞めたいなぁ」
「別の道に進めばよかった」
本人が勉強したいとさえなれば、人も組織も材料も揃っているのにね。
(イヤ、しんどいのはしんどいけどさ)
髪や大学にしてみれば、「俺らは昔っからそうだよ」ってなもんだろう。
そちらの都合で近づいてきて、条件をよく見もしないで文句を言うなんて、ほとんどクレーマーだよ。
たとえるなら、おなかペコペコでパン屋を見つけて、ホッとしありがたくも思ったはずなのに、ある程度空腹が満たされたら
「なんでパンしか置いてないの?」
「客を何だと思ってる」
「あーあ、おにぎり食べたかったのに」
ってイチャモンつけるようなもんだよね。
うちはパン屋ですから。
あなたも知ってて入ってきたじゃないの。
最初っからパンのにおいしてたでしょ?
私も社会人として不成功のクチなので、労働力低下ブームに物申せる立場ではない。
が、働きたい人向けにできている組織に自らの意志で入っておきながら、あるに決まっている苦難に言いがかりをつけ、周囲に迷惑をかけることを正当化するのはいかにもカッコ悪いと思う。
入る前によくわからなければ、入った後でいいから。
うまく行かなかったとき初めて、でいいから。
「てことは逆かも?」
「じゃあそっちにしてみちゃおうか」
「それはそれでアリかな」
と切り替えたら、案外ゴロッと事態が改善するかもしれない。
袖すりあうも他生の縁。
全面的に嫌なことばっかりなんて、ありえないんじゃないの?