FAX

FAXってなんだかすごく素敵なポジションだと思う。

家電にもオフィス機器にも素人な私の単なる個人的感想。

うちにFAXがやってきたのは中学生の頃だったかな。
外国とでも手紙が瞬時にやりとりできるってのはかなり盛り上がった。
若者よ、そんな時代もあったのじゃよ。

FAXが一世を風靡したなんてこと、あるのかしら?
「自分は電話の次」とわきまえて、無駄に前に出てくることはなさそうな気がする。
実は電話より先輩らしいのに。

電話回線のおかげで台頭してきたくせに、売れたらとっとと浮気して、「あいつは遅い」「高い」なんて電話の悪口を言うパソコンとは大違い。
常に電話のそばで控えめに活躍してきた。

むしろ今は携帯電話に押され気味な、固定電話の心の支えになっているかもしれない。
プリンタやスキャナとはもともと親戚なので、複合機としても仲良くやっていけている。
気分屋のパソコンとでさえ、つかず離れずの程良い関係を保っている。

鼻っ柱の強い新参者が、新機能だ高速だ画素だと騒ぐのを後目に、あくまでユーザーにやさしく丈夫で長持ち。
“ピー”とか“ピョロピョロ”とかいう焦りのない音に静かな自信を感じさせる。
大幅なモデルチェンジもないところを見ると、完成形に近い状態でもう何年も経つのだろうか。

ビジネスはもちろんのこと、お年寄りや障害のある方のおうちで愛されているのも、誠実でマジメな仕事っぷりが窺える。

大人の余裕というか、味わい深い安定感を漂わせている。
魅惑だね、FAX。

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