Guidance

父に相談すると、いつもこうなる。

高校を卒業したら早く社会人になって仕事をしたいと思っていた。
父に「なぜ大学じゃダメなんだ?」と聞かれ、「大学は行っても意味がない」と答えたら、「意味がないかもしれないけど、行ってないやつが言うと説得力がないから、意味がないってことを確かめに行ってみたら」と勧められ、うっかりなるほどと納得して、急遽受験生になった。
高3の夏のこと。

当時は大学が勉強の場だとは知らなかったので、学問的には何ひとつ得ることなく卒業してしまったが、意味がないという考えは間違いだった。
ひとり暮らしやバイトやサークルで、大事な生活の知恵や人間関係を学んだ。
大学じゃなくてもよかったのだろうけど、大学でもよかった、ということがわかった。

以来、偵察・潜入・人体実験をあちこちで実施している。
何でも行ってやって見てみないと気が済まない。
挙句、こんなことに。
自業自得、身から出たサビなのか?

あいかわらず経験主義の父は「いいチャンスだと思って」などと言う。
「おめでとうと言うべきかご愁傷様と言うべきか」とか言って笑っている。
一人娘を持つ男親にしては卓越したドSっぷりだ。

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