白黒つけること、について。
もともとあまり好みじゃなかったけど、最近ますます遠ざかっていたことに気づいた。
いつだか白黒の話をしていて、その2色の間にある無数のグレーのグラデーションはどうなるんだ、と思った。
そのイメージが基礎になっているのだけど、今は白と黒さえもよくわからなくなっている。
たとえば良いと悪い。本音と建前。
損と得。勝ちと負け。正解と不正解。
私の専門に関して言うと、母国語と外国語。ネイティブとガイジン。
モノリンガルとバイリンガル。生徒と先生。
理系と文系とか技術と芸術とかも、要するに境界線を引くこと自体に違和感や抵抗が現れてきているのだろうと思う。
うまく表現できないけれど、白も黒もグレーもそれぞれが絶えず変化しながら渾然一体となっているというか。
それらが混じり合って出す濃淡が、どの単色よりずっと美しいというか。
とはいえ何もかも一緒くたでもなく。
いくつかのペアはくっきり隔てて残してあるんだよなぁ。