ひと工夫

影響されないように話を聞くこと、について。

毎日いろんな人の書いたものを読んで、いろんな意見を聞く。

世の中にはいろんな人がいて、それぞれがさまざまなタイミングで、二度とあり得ない経験をしている。
そのすべてを辿ることは不可能なので、そういう違いをざっくり踏まえて、現時点で考えていることをちょちょっとまとめて、さくっと聞かせてもらう。

ほっといてもおもしろい芸の域であれば、もう、全面的に話し手の力量に頼って、ただ単に聞く。
刺身でいただく。

しかし聞き方を工夫すると、もっと幅広いジャンルの話がおもしろく聞ける。
そのひとつが“影響されずに聞く”。

一筋縄ではいかないガンコそうな論理や、偏った思想もこうすればおいしくいただける。
反発して話の腰を折ったりしないから、ゆったりフルコースを堪能することができるのだ。

夢中になってのめりこんで、まるで話し手と一心同体のような錯覚に陥りながら聞くのも楽しみ方のひとつだが、それだと好きなタイプの話しか聞けなくなってしまう。
好みじゃなくてもおもしろい話はいっぱいあるのに、もったいない。
嫌いなものに限って栄養価が高かったりするしね。

子ども時代に苦手だったものが食べられるようになると、“大人になった”なんて言ったりもする。
食べてみて不味かったらしばらく近づかなければいい。
忘れた頃にひと口だけトライ。
案外おいしいかも。

「あーおもしろかった」でいいじゃない。
どうせみんな違うんだから。

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