私の所属しているプログラムでは、今ベビーブームが起きている。
このプログラムには必修が3つある。
毎年開講されるわけではないので、ほとんどの学生が早い段階で1学期に1つずつ消化しておく。
つまり同時期に入学した学生の多くが、3学期連続で必修クラスに集まる。
そんなわけで月曜のクラスは、クラスメートもTAも知った顔ばかりだった。
“はじめまして”は教授だけ。
そのうえオンラインのディスカッションは先週からオープンしているので、初授業だというのに、近況報告も済んでしまっている状態だ。
だからKが教室に入ってくれば「生まれた?」と皆が聞くし、Tの大きなおなかを見ても誰も驚かないし、まだ見た目には変化のないMのことも「体調はどう?」と気遣ったりしている。
Kは先週「隣で奥さんがうなってる」と言っていたが、木曜日に無事生まれたそうで、うれしそうに写真を持ってきていた。
この際まぁ男子はともかく、女子で学期中に妊婦やママになる人はどうして乗り切れるのか本当に不思議だ。
1月が予定日のMは現役の高校の先生で、今学期はさすがにこの必修しか取らないけど、他にも地域の教育計画に参加していていつも忙しい。
Tは11月が予定日だけど今学期もオンラインで大学のコースを教えているし、この必修の他にオンラインでもう一つ履修するらしい。
先学期の必修でクラスメートだったRは、留学生+第1学期+フルタイム(4コース履修)の、ただでさえパニクりそうな学期の最中に出産した。
ちなみにこの人たちみんな初産。
女性の教授の中には「私も博士論文を書いているとき妊婦だったわ」とさらっと言う人が時々いるので、どうやらここではさほど珍しいことではないようだ。
確かに日本に比べると、妊娠・出産がカジュアルな感はあるけど。
でもさー、すんごいことだよ?
何時間もかけて車で通勤通学したり、眉間にしわを寄せて論文を読んだり、発狂しそうになりながらペーパー書いたりって、おなかの子によくなさそうじゃん。
他にも小さい子どもを育てながら、仕事と学業と家庭を何とかしている人はたくさんいる。
私の勉強の仕方が効率的でないことを差し引いても、この絶ッ対に不可能そうなことがなぜあちこちで可能になっているのか。
謎。