カセツ

Hypothesisって、よくわかる日本語だと何?

Proposal (研究計画書?)の中に「Hypothesisがない」と指摘された。
そんな大層なもの、私が書くものの中にあるわけないじゃん。

日本語で考えたことがなかったけど、私の理解では「学者さんとかの賢い人が、実験前に結果を予測して、“こうなりそうじゃね?”と発表すること。
当たったり外れたりするけどそれはどっちでもいい」というような定義だった。

和訳は“仮説”というらしい。
なんじゃそら。
広辞苑を引いてみる。

仮説【か-せつ】
〔哲〕(hypothesis)自然科学その他で、一定の現象を統一的に説明しうるように設けた仮定。

…はぁ。

ここから理論的に導きだした結果が観察・計算・実験などで検証されると、仮説の域を脱して一定の限界内で妥当する真理となる。

…難しい。
かえってややこしくなってしまったが、“こうなりそうじゃね?”は案外遠くなさそうだ。

ただ、だよ。
それを私なんかが作っていいの?

K教授は「何を言い出すんだ?」というリアクションだった。
「私、学者でもなんでもないですよ?」
「何の根拠もないですよ?」
「勝手に思っているだけかもですよ?」
「明らかに間違っているかもですよ?」
「もしくは周知の事実かもですよ?」
と、珍しくしつこく確認した。

「リンゴが落ちることだって周知の事実だったけれど、誰も証明できていなかっただろう?」
ふむ。

でも。
「思っただけで“仮説”とか言っちゃっていいんですか?」
「なんとなく、だけで?」
「見たかんじ、とかで?」

…いいんだそうだ。

そこまで言われては仕方ないので、“マイ・カセツ”をいくつか立てた。
“Expectation (予想)”ぐらいだったら耐えられるけど、”Hypothesis”だなんて、なんとも偉そうで居心地が悪い。

論文の批評もそうだけど、「何様だよ」と自分にツッコミながらじゃないとおこがましくて書けない。

オトナ語アカデミック版てとこかな。
数をこなすと慣れてしまうのだろうか。
それもイヤだな。

「カセツ」への2件のフィードバック

  1. 貴重な時間と資源を使って研究を進めていくんだから、AとBはなんか関係ありそうだ、とか、ちょっとあたりをつけていくじゃない?論文読む方だって、この人何しようとしたわけ?ってはっきり書いておいてくれないと筋が見えないし。それを「仮説」って呼ぶんだと思う。
    「予想」はそれまでだけど、「仮説」には理屈やデータが後からついてくるイメージが。
    言ってることはたいしたことなくても、たいそうな言葉を使うんだよね、この業界は。ふつうの研究者は小さいことを積み重ねてるんだと思う。地道に・・・。THE仮説が立てられるようになったら、emiちゃんも大学者だ!29歳でデビューしたチョムスキーみたいに?

  2. >acha
    あいかわらず私のhypothesis外の切り口で来るねぇ(笑)。

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