フィードバック

悲喜こもごもとは、こういうことを言うんだね。

2日目の今日は、事務の仕事はほんのわずかだった。
というわけで本業の授業見学と、実習生へのフィードバック。

実習後に挨拶しにくる顔を見れば、授業の出来がわかる。
Oは昨日の失敗を挽回して本領を発揮したようだった。
Eも疲れと緊張がピークで、本人的には満足していないものの、そこは経験でカバー。
ソツなくこなせていた。

心配性のNは初めからガチガチだった。
ネイティブが緊張で早口になってしまうと、さすがの上級クラスでも聞き取りが難しい。
先生と生徒の距離が離れていく。
見学中はできるだけ壁に同化して透明人間になるようにしているのだが、Nが近くに来たときに、“肩の力を抜いて”とジェスチャーを送った。

しーんとなっていた教室も、ペアワークでいくらか盛り返した。
“うん、うん”と大きくうなづいて見せる。

まとめの答え合わせで、また生徒の頭の上にハテナマークが。
Nがどんどんテンパっていく。
“板書して”のサインを送る。

休憩に入るやいなや、Nはトイレへ駆け込んだ。
見学に来ていた他の実習生も心配そうにしているが、次の見学に行くように促した。

Nは2コマめの授業もある。
途中で偶然通りかかったUが余計なことを言うのを遮り、Nには新しい生徒情報などを伝えて、終わったらオフィスで待ってるからね、とだけ言って、別の授業見学へ移動した。

2コマめが終わって15分ほどしても、Nがオフィスに来ない。
教室を覗くとNがひとり涙をぽろぽろこぼしている。

他愛もない話から始め、Nの反省だらけの感想を聞く。
“先生”という職業の人なら誰でも経験することだ。

話しているうちにNも落ち着いてきた。
「emiは最初に教えた時はどうだった?緊張した?」と聞くので、最初も何も、授業はいまだに毎回大緊張だよ、と答えた。
緊張するのは当たり前。
でも舞台に上がったら迷わず走り出すしかない。
そしたら時間はあっという間に過ぎる。

「emiが教室にいるのも15分ぐらい気づかなかった」というので、じゃあ透明人間作戦は大成功だったな、と言ったら、Nはやっと笑った。

教えるのは好き?と聞いたらNはYesと答えた。
それなら大丈夫。
今日のことはいい思い出になる。

「フィードバック」への4件のフィードバック

  1. みにつまされる。なんだか泣けてきた。
    みんな不安なんだなぁって。そりゃそうだよなーって。場所がどこであれ。
    クールに見せかけて、大緊張してるんだねぇ。emiちゃんの授業受けてみたい。どんなこと教えてるの??

  2. >さゆり
    今はこの「教え方を教える」っていうのをやっているので
    いわゆる“授業”は受け持ってないの。
    緊張(しすぎ)もそうだけど、不安とか疲れとか、
    生徒のやる気の邪魔になるようなことは
    全部隠して前に立つのがプロなんだよね。Be a faker!

  3. 教え方を教える、か。一番難しい。
    そうだね。緊張や不安や迷いは、いらないね。でも、いつも普通に授業やってる先生たちも緊張してるのかなぁ?それが疑問。

  4. >sayuri
    私もまだまだだから何とも言えないけど“緊張感ゼロ”というのもよくはなさそう。
    経験を積んでくるとこのバランスが難しいんだろうね。

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