お役目

好きじゃなくても、やらなきゃしょうがないことについて。

留学している、と言うと、外国とかガイジンとか、勉強とか学生とかが好きだと思われやすい。
好きでやってるっぽい人もいるにはいるけど、そんな人ばかりじゃない。

日頃は伝わりにくいことがあっても頑張って伝えたりする方ではないのだが、この件に関しては粘り強く訴えていこうと思う。
好きでやってるんじゃありません。

「じゃあやめておけば?」と言われたりもする。
ごもっとも。
でもさ。
みんなに満遍なく与えられるわけじゃないチャンスや、普通じゃ考えられない条件がキレイに揃ったら、もう、ありがたく受け入れるより他にないことがある。
無碍に断ったらバチが当たりそうなんだもの。

たまたま私などは比較的わかりやすいのを仰せつかっているが、実はもれなく全員が、日々、複数のお役目を課せられている。
たとえばどんな仕事でも、ものすごく複雑な偶然が絡み合って、いろんな人のおかげがあって、ようやくある人の手元に届く。
そこまでのお膳立てをひとりの身勝手ですべて無駄にするのは、やっぱりまずいだろうよ。
お百姓さんが大事に育て、さまざまな流通経路を通じて、やっとお茶碗までたどり着いたごはん粒を、簡単に残してはいけないのだ。
こちら側に選択の余地はない。
感謝して頂戴するのみ。
私の好みなどどうでもいいのだ。

その人でないといけない理由がどこかにあって、役割が巡ってくる。
多少の不平不満があろうとも、そんなことはどうでもいいのだ。

ところで世の中は捨てたものではないので、死ぬほど辛い役目ばかりが回ってくるわけでもない。
楽しくなくても、好きじゃなくても、たまに「お♪」と思えるニクい演出がうまぁく混ぜられている。
そうやって、ごまかされつつだまされつつ、つべこべ言いながらもなんとかかんとか進んで行くと、「あぁこういうことか」とわかる日が来るかもしれない。

とにかく悪いようにはしないだろうから、黙ってやっとけばたぶん大丈夫。

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