新しいアパートで、初めてのお洗濯。
ケンタッキーの寮も、先月まで住んでいたアパートも、建物内に洗濯機が備え付けられていたので、使い放題だった。
実はコレむしろ珍しいこと。
賃貸の場合、洗濯機はほとんど有料のようだ。
つまりコインランドリー。
洗濯機を自室に設置するのは禁止されている。
アパート探しをするとき、「建物内に洗濯機があるところの方がいいよ」と勧められた。
確かにこの地域で冬、外へ洗濯に行くのはツライ。
言われてみれば物件情報にも、“駐車場付”“ペット可”と同レベルで、“洗濯機、建物内”が売りとして挙げられている。
ご多分に漏れず新アパートも洗濯は有料。
25¢硬貨と洗濯物・洗剤を抱え、地下でつながれた洗濯場へ。
こういうの、ものすごく苦手。
コインロッカーを使うときにも、お金だけ取られて鍵が閉まらないような気がして、ヘンに緊張する。
日本でもコインランドリーを使った経験なんてあったかしら。
洗濯機の蓋の内側に書かれた説明をじっくり読む。
洗剤と洗濯物を洗濯槽に入れ、硬貨を5枚並べてバーを押し込むと、洗濯が始まるらしい。
ガチャ。
…。
始まらない。
あ~やっぱりやっちゃったよ。
半分だけ押し込められたバーは、押しても引いても動かない。
蓋を開けても閉じても水の出始める気配はない。
適当にあちこち叩いたりしてみるがダメ。
もー!
オフィスに行ってみるも土日は担当者がいない。
もともと静かなこのアパートメントは、遠くにときどき散歩する姿が見えるだけで、助けになりそうな人も通らない。
仕方がないので24時間メンテナンスに電話。
オペレータは取り次ぎだけでアドバイスはしてくれない。
しばらく部屋で待っているとドアのベルが鳴り、メンテナンスのおじさんが現れた。
一緒に洗濯場へ向かう間に事情を説明。
おじさんは半分だけ押し込められたバーを指し、「押して、引くんだよ」と言いながらやって見せた。
と同時に水がジャーっとたまり始めた。
こんな簡単なことでお呼び立てしてすみません。
やさしいおじさんでよかった。